詩のような 世界
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三日月に揺られながら
足元に散らばる輝きに目を奪われていたよ
無数の星を数えた
多すぎて数え切れないとわかっていても
楽しかった
キャッキャ手を伸ばした
夢だったけれど
近いところにあった
今では
失ったものを冷たいフローリングに並べて数えている
いち、に、さん……
声に出すのが面倒なので脳内で唱える呪文
指先の震えは止まらない
胸はまったく震えない
カーテンを開ければ
三日月がまた僕を照らすのに
床に伏しているから気づかない
整列した破片は光を求めて泣いている
いつかのキラキラした場所に行きたくて
あの場所を想った
涙は流れ続け
頬をつけた床は天の川になり
星の間を白く染めながら
僕はまたあそこへ導かれた
夢を見た
その世界だけは優しい輝きで満ちていた
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