詩のような 世界
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あたたかな
最後の黄色い花びらが
冬の風にさらわれて
手の届かないところに飛んでいった
何をしなくても
色とりどりの花が敷き詰められた
鮮やかなあの場所を感じられる
甘くて
涙ばかりが出た
つながっていたよね
君の存在のにおい
魅惑的な花の庭に負けない強い
忘れられないにおいだった
寒くなると
君は枯れ木に登り
上へ上へ
僕は君を見失わないように
逆光に負けじと君の姿を目で追った
止めることはしなかった
できなかったんだ
どうなるかは
わかっていたのだけれど
飛んでゆく花びらは
きっと君の化身だね
僕は風になって君を運びたかった
あんな木より
もっともっと高いところまで
今、君がいる場所には
明るい光が射し込んでいる
願ってる
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