サーモンピンク・フラミンゴ
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2006年12月11日(月) ハゲとレズ

先日仕事中に、何の拍子だったか、なっちゃんと「ハゲ」の話題になりましてね。

…ハゲって蔑称なんでしょうか。
でもワタシ別にハゲをバカにしてませんし、ハゲかどうかでその人の「カッコイイ」「カッコワルイ」の評価が変わるようなこともないので勘弁してください。
ていうかついでに言っちゃうと、男性ならもっさもさの多毛よりも薄毛のほうが好きです。
「ふさふさでセクシーな男性」と「ハゲでセクシーな男性」を比べたら、ハゲセクシーのセクシー度のほうが圧倒的勝利だと思ってるんですがそんなことないですかみなさま。
ワタシの好みはどうでもいいですかそうですか。

ワタシは、ハゲの人にとって大事なのは「毛がなくなっちゃったからあるように見せないとー」「ハゲ隠さないとー」ということぢゃないように思います。
「いかにハゲを隠すか」よりも「ハゲをいかにカッコよく見せるか」「いかにして『ハゲなのにカッコイイ!』な自分になるか」と持っていけるかどうかがポイントではないかと。難しいですけど。
逆に言えば、髪がふさふさでも、何か不潔めいていたり、「その髪型ですかい!」「何そのファッション…」とか思わせちゃったりすればアウトなわけで。

で、なっちゃんとの会話のメインは「カツラ」についてだったんですが。

ワタシの取引先の担当者で、もうきっぱりカツラ!という方がいらっしゃるんです。
なぜきっぱり言い切れるかというと、ワタシ、その人が1:9分けのすだれな髪型だったときからの知り合いで、ある日突然ふっさふさになったのでビックリしたからです。
しかもその最初のカツラが、あまりにもあからさまなカツラだったんです。
乗っかってるだけ、みたいな。
今はすごく良いのに変えたみたいで、過去の彼を知らない人には多分ばれないでしょう。

その彼、知り合った当時はまだ30代後半だったんですが、髪はかーなーりーキてたんです。
が、背も高くて、顔も小さくて、しかもハンサム。すらっとしていてモデルみたいんだったんですよね。髪さえあれば。
と、当時思っておりました。
会話も楽しいし、オシャレだし。
モテ要素を兼ね備えていたわけです。

だから気持ちはわかるんですよね。
きっと「オレ、髪さえあればもっと・・・!」と思っていたんじゃないかと。
もっとなんなのか と追求されると困るのですが。

で。
先にも言いましたとおり、ワタシはハゲ時代の彼を知っているわけです。
でも、「オレ、カツラにしたんだー。えへへ」とかのカムアウトはされていないんですよね。

正直言って

けっこう困ります。

最初に申し上げましたとおり、ワタシは彼がハゲだろうとそうでなかろうと、またカツラを装着しようと、いずれにせよ気になりません。
本人の気持ちが快適ならばそれがいちばんですしねえ。
困るのは、「ワタシが知ってるとわかっているのに、それをなかったことにされている」ということです。
何が困るかというと、会話をする上で、禁止用語に触れてはいけないのかな?と、変に気を使い過ぎちゃうんです。(気にしすぎるワタシが悪いのかしら)

例えば。
印刷物を一緒に見ながら
「これ、校正のときよりヅラがずれてません?」
と発言したあとに地雷?!Σ (゚Д゚;)と慌ててしまったり。
(注:ヅラ 組版されたページ面のうち、実際に印刷される文字・罫線・画像などが占める面の大きさ。のことらしいです。コピペ)

風のすごく強い日に、単純に「モノが飛んで来たりするから気をつけて」という意味で
「今日、風が強いから気をつけてくださいねー」と電話で話したあとに「カツラが飛んじゃうって意味で気にしちゃったらどうしよう!(´д`)」と一人で勝手にそわそわしちゃったり。

すごく気さくな人なので、ホントにもういっそのこと「オレカツラにしたんだ。カッコイイでしょ!」とか言ってくれれば
「前も悪くなかったけど、うん、すごくカッコよくなったね!」とか絶賛しておしまいにできるのにー。
ずれてるときとかもこそっと教えてあげられるのにー。と、思ったりしちゃって。大きなお世話なんですが。

でも、気さくな彼が、ワタシが以前のハゲ(だけどナイス)な彼を知っていることを知っていながら知らんぷりをしているということは、きっと何がどうだって言いたくないのでしょう。
「黙ってれば自然に増えたと思われるかな?」というレベルの変化じゃなかったんですから。

で、なっちゃんに
「何かさー、話してくれればお互い楽なのにーと思うんだよねー」と話しまして。
「そうねえ。本人が気にするほどまわりは気にしないしねー」
「そうなのだよ」
「でも、最初からふさふさと思っている人には確かに言いたくないかもね」
「うん。そうだよね。でもさ、なんか、いずれバレると思うのよ」
「そうとは限らないけど(笑) でも親しくなればなるほどそのリスクはあるよね」

なーんて話してまして、ここで「はた」と気付いたのですが。

これって、レズであるワタシの状況にも似ていまいか。
(注:あくまでも「ワタシの」状況です)

完璧に「レズである」ことを隠匿した生活を送っているならまた話は別ですが。
ワタシなんて「実はレズです」と告白すれば「ああ、そんな感じかもねー」と納得されそうなルックスしてますし。(男っぽくはないですけども。レズっぽい雰囲気ってあるではないですか。ワタシスカートはかないし)
きょんと長いこと一緒に暮らしてますし。
男性とつきあっているという話がとんと出ないですし。(以前はカモフラージュのためにたいてい男性もキープしていたんですが、もうめんどくさくなってやめました)
自分の稼ぎだけで自立してますし。
バイク乗ってますし。
もしかしたら、上記の彼のカツラと同じくらい、端から見ればわかりやすいかもです。

だけど、もちろんカムアウトしてません。

そしてもしかしたら、「じょりぃさんてレズなのかなー。レズでなくてもバイではありそうだなー」と思っている人々(けっこういそうです)に対して、

「やば!今あたし地雷?!Σ (゚Д゚;)」

とそわそわさせる会話を余儀なくさせていたりするのでしょうか。
・・・させているかもです。

今までのワタシは、拒絶されたらどうしようという恐怖心と一緒に「よほど親密な相手以外への不必要なカムアウトは、秘密を共有することを強いることになるし、相手にとってはかなり迷惑」と思っていたりしたんですが、ヅラのことと併せて考えると「ああ、言ってもらえてホッとした。これで安心して会話ができる」と思ってもらえる相手もかなりいるんじゃないかなーなんて思ったりしたのでした。
とりあえず、存軽日記にもよく出てくる、K姫、不思議ちゃんEさん、iプチ姫、タマリンあたりには打ち明けてしまったほうが相手も変に気を使わなくていいのかもー、なんて。
と思ったところで「じゃあ、カムアウトしにいってきまーーーーす!!('-^v)」とすぐに行動を起こすわけではありませんが。

このように、カムアウトの話がハゲ(というかヅラ)とレズ(クローゼット)でシンクロしたわけですが、さらにもうひとつ、冒頭のほうで述べている

「いかにハゲを隠すか」よりも「ハゲをいかにカッコよく見せるか」「いかにして『ハゲなのにカッコイイ!』な自分になるか」と持っていけるかどうかがポイントではないかと。難しいですけど。

というところも、なんだか共通する気がします。
レズであることを隠すよりも、「ワタシこんなに楽しくかっこよく幸せにレズやってます!」という風にできたら、こりゃあ最高ですよね。

ただ、ハゲとレズは社会的な排斥度が違うっちゃあ違うから、難しさもまたひとしおですが。
人によってはレズは社会悪であったり罪であったり反生産的であったり生理的に受け付けないものだったり「死ね!」なものだったりしちゃうわけで。
ハゲはそのようなレッテルは貼られてませんしねえ。(好み的に受け付けない人はたまにいるでしょうけど)(そんなの相手にして気にしちゃだめよ!ハゲの人!)

とまあ、ひょんなことから「カムアウト」やら「レズとしての生き方」まで考えてみちゃったひとときであったのでした。


ああ、そうそう。
もうひとつなっちゃんと大事なことを話したんでした。

別の取引先の男性の話なんですが。
そのときもまた髪の話になりまして。
彼はワタシよりも3つ年上だったかな? で「オレも最近年取ったせいか薄くなってきちゃってさー」なんて言い出したんですよ。
「えー。Wさんは全然余裕じゃないですかー」とワタシ。
だってその人、しょっちゅう髪型変えているし、その日も地肌が見えるくらい刈り込んだすっきりした髪型で、髪のてっぺんもジェルでピっと立たせてたりして。
ハゲの気配はゼロだったんです。

そうしたらWさん

「ああ、これカツラ」と。

へ? (・_・)

本気? 冗談?

「またまたー(笑)」とワタシ。
「いや、ホントに」
「えー? ちょっとマジで? 冗談なんでしょ?(笑)」

と笑ったあとに、こんな言い方しちゃって、もしホントにカツラだったらかえってショックかしら、とそわそわするワタシ。
レズに置き換えて、自分が「実はレズなの」と言ったときに「またまたー(笑)」「えー?ちょっとマジで?」「冗談なんでしょ?」なんて言われたら、ねえ?

「奮発して高いの買ったからわからないでしょ(笑)」と、書類に目を落としながら、Wさん。

そのあともう何も言えないワタシ。

Wさんが帰ったあと、コトの顛末をなっちゃんに話し「結局どっちだったんだろ?」と。
「えー? カツラには全然見えないけど・・・来る度くらいに髪型も違うよね?」となっちゃん。
「ワタシもそう思うけど、でももしホントだったらさー」
「困ったね」

フツウにお勤めする営業マンですから、来る度くらいに髪型変えてるように見えるほど、いくつもカツラ買えないよねー、と思いつつも、「もしホントにそうだったら、あまり否定しても申し訳ない…」と、ワタシの心は葛藤のるつぼでございます。


というわけでみなさま。

カムアウトするときは、変に中途半端にせずに、相手に「本当にそうなんですよ!」と伝わるようにしたほうがよろしいかと思います。
言われたほうも返答に困ったりするかもしれません。ということを学びました。


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