サーモンピンク・フラミンゴ
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2003年07月22日(火) |
きょんの家族は知っていた |
きょんのセクシュアリティについて書いた途端、その手のささやかな事件が勃発いたしました。 不思議なものでございますね。
きょんが最近携帯を新しくしまして。 前の機種はなんと33ヶ月も使ったそうで。すごいですね。 私なんて最低の13ヶ月(違ったかな?)も待ちきれないというのに。 33ヶ月ですよ。 気が遠くなります。
なのでとっても嬉しかったみたいでですね、いろいろいじってまして。 「あたしもなっちゃんみたいに、楽しい着信音をいっぱいダウンロードしたーい」ということでがんばって探してたみたいなんですけど。
なぜだか、いっこうに、良いものにめぐり合えないきょん。
「なっちゃんみたいにイマドキの曲とか、じょりぃのポリンキーとかみたいにしたかったのよ」 「ふんふん」 「でも、なくてさー」 「なんでないのかな。どこを探したのかな」 「でね、やっとダウンロードできたのが、これ」
じゃーらん。
じゃーらん。
じゃーらっじゃーらっじゃーらっじゃーらっ(続く
これでわかったあなたはエライ人です。
きょんがダウンロードしたのは「ジョーズのテーマ」。 しかも音質が相当ショボイ。
「わはははははははははっ。 なんでよりによってジョーズ」 「やったあ、ウケた」<うれしそうなきょん。 「でも、これを着信音にするのー?」 「あたしもちょっとモンダイかなと思ったので、これは、ちい姉ちゃんからかかってきたときの着信音にしたー」 「ああ」
ちい姉ちゃんとは、きょんのすぐ上のお姉さんのことです。 さらに上にお姉さんがいまして、きょんは3人姉妹の末っ子です。 このちい姉ちゃんが、最近ノイローゼ気味で、きょんにしょっちゅう電話をかけてきてはよくわからない話をして、きょんをちょっぴり困らせていたわけなんですが。 そのちい姉ちゃんからの着信音をジョーズにしたと。 リアリティありすぎて、怖いんじゃないかなと思うんですけどね。
さて、ここからが本題なんですが。
ゆうべ、ジョーズのテーマが鳴り響き、きょんは「うう」と軽く唸ってから電話に出ました。 長い電話を切った後きょんが 「もしかしたら、ちい姉ちゃん、あたしとじょりぃがつきあってるって、知っているみたい」と。 「えええええ?」
まあ、フツウはわかっちゃうだろーなとは思うんですけどね。 もうずっと一緒にいますし。一軒家に一緒に住んでますし。
でも、きょんの家族って、世俗から離れているようなところがあって、ましてや「同性愛」なんて別世界のできごとというか、理解不能の範疇といった感じで、全然気付かれていないとおもっていたのです。 田舎の古〜い観念とモラルの方たちですから。
その中でもちい姉ちゃんは鋭いし、感覚も今の人だったので、まあ気付いていたとしてもそう驚くにあたらないのかもしれないのですが、それでもおどろきました。
「なんて言ってたの?」 「んー・・。なんかね、今日はいつもより精神状態がいい感じで、自分とカッちゃん(だんなさんです)が恋に落ちた頃のことを話しておきたい、とか言っちゃってさ」 「話しておきたい、って、なんかイヤな感じね」 「そうね。あたしも思った。 まあ、とにかく話していてさ、その中で『あたしとカッちゃんも、つきあい始めの頃は本当に毎日が楽しくてさ。恋ってこんなに楽しいんだなあって思って。きょんとじょりぃさんもそうだったと思うけど・・・』みたいな感じに」 「ぎょぎょ」 「他にも『きょんとじょりぃさんみたいに、どこに行くにもふたりで一緒だったし、何をするにも一緒だったな』みたいな」 「ぎょぎょぎょ」 「前にもちらっと言われたことあったんだけど実は」 「ななななななんて?」 「『あたしの友達が言ってたんだけどー』って言ってたけど、あれは絶対自分の意見だと思うんだけど」 「うん」 「『きょんちゃんて、レズなの?』って友達に訊かれちゃったんだけど、どうなの?って」 「ほお。 で、なんて答えたの?」 「へえ って」 「・・・・質問と答がビミョーに合ってないような」 「だって他に言いようがないし」 「そう言われたってこと、ワタシには話さなかったんだね、きょん」 「うん。 どうでもいいかなと思って」 「どうでもいいのか・・・・あなたって強いわ」 「忘れてたし」 「なんでそんなに気にしないのー。うらやましい」 「そうなのか」 「で、さっきの電話は、なんて返事してたの?」 「ふうん、 ふうん って」 「・・・・・・。 でも、そうなると、あのちい姉ちゃんが家族に黙っているはずないよね?」 「うん。話してるんじゃないのかな。 どーりで最近めっきり『結婚しろ』って言われなくなったもん親から」 「でも、ワタシのこと訊いてきたりもしないのね?いろいろと」 「うん」
ということでですね。 ワタシの親には既にカムアウト済みですので(このことはまた別の機会に)、これで晴れて両家公認ということがハッキリいたしました。 ワタシもこれからは、ヘタに遠慮することなく、きょんの家族のためにもっと尽力したいと思います。 「いらん」言われるかもしれませんが。言われたらやめればいいや。 今までは「なんでじょりぃさんが?」と思われるかもと思うと、力になれるかな、と思うようなところでも躊躇していたフシがありましたので。 とはいえ、キチンとお話ししてカムアウトしたわけでもないので、でしゃばらない程度にお役に立てればと。 「なんとなくそう思っている」のと「きっちり話される」のはまた、ダメージが違ったりするかもしれませんからね。 きっちり話したところで気にしないような気もしますが。こればっかりはその場になってみないとなんとも。 まあ、今のところうまくやっている(ように思う)ので、今のままいるのがいちばんいいのかなという気もしますけど。
で、
きょんの家族も不思議なんですが、やっぱりきょんて不思議です。 「家族も知ってたんだー、とわかったとき、やば!とか思わなかったの?」と訊いてみましたら 「ヤバイとは全然思わなかったけど。 恥ずかしかったかなあ。 レズだと思われたのが恥ずかしい、とかじゃなくて、付き合ってるって知ってたんだーと思ったら、なんか気恥ずかしかった」 「ふうん。 でも、きょんてヘテロなのに、友達とか親にレズだって思われたり言われたりして、ショックじゃないの?」 「実際そうなんだからしょーがないんじゃないの。じょりぃといるってことは、レズってことだよね」 「そりゃ状況としてはそうだけどさ、女の人に興味ないでしょ?」 「ない」 「じゃ、違うじゃん」 「でもじょりぃとつきあってるのは確かだから、まあ言われても仕方ないよね」
あっさり。
難しく考えたりしなくて、もうホントに、こういうところ見習いたい。 潔いし。
ここで、きょんのセクシュアリティにも書きました「萌え傾向の比率」について、きょんに説明してみるじょりぃ。
「・・・ということを考えてみてね。きょんは女0.2:男9.8かな、なんて」 「あはははははは。 でもどうなのかなあ。あたし、間口とか好感度アンテナの張り具合とかってことじゃないと思うよ」 「そうなのかな」 「じょりぃを好きになった、というだけじゃダメなわけ?」 「(ぽ)いや、それがいちばん理想だと思うけど。くくりとか関係なく『この人が好きだから好きです』みたいな」 「ぢゃ、いいじゃん。別に。わざわざカテゴライズしなくたって」 「そうなんだけどさ。セクシュアリティ、というテーマで考えた場合の傾向についてちょっと考えてみちゃったんだ」 「なるほどね。でもあまり縛られなくていいんじゃないの?そういうものに」 「うん。そうなんだよね」
そうなんですけど。
それはやっぱ、あなたが悩まなくていいお立場だから。もともと。
いやでも、既に悩んでいい立場なんだった、きょんも。
悩まないモン勝ちですね。こう考えてみると。
まあとにかく、 「あの純朴なきょん一家が、ワタシときょんの関係を知ったら、ものすごい精神的なショックと、それを上回るカルチャーショックを受けるのではないか」と心配していたワタシだったのですが、きょん一家の方が一枚上手でございました。 ワタシが「言わないことが親孝行だと思っていた」と両親にカムアウトしたときの、「おまえは親を過小評価している」という母のセリフを思い出したりして。 自分が考え込んでいるよりも、相手の器というのは意外に大きかったりするものですね。何事によらず。
もちろん、その逆も世の中にはたくさんアリだと思いますけど。何事によらず。 ていうか、そっちのほうが多いのかな。 と思ってしまうことが既に世の中に対して過小評価?
だんだんわけわからなくなってまいりましたが。 ワタシときょんは恵まれておりました。ということで。
ところできょん。 ちい姉ちゃんに「ジョーズのテーマ」はやはり失礼だと思うよ。 じゃーらん じゃーらん じゃーらっじゃーらっじゃーらっじゃーらっ(続く
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