サーモンピンク・フラミンゴ
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2003年05月07日(水) |
子供はなんでもわかってる(かも) |
子供はなんにもわからない。
などと今時思っている方もいないとは思いますが。
本日は「子供はなんでもわかってる(かも)」というお話を。
ワタシは子供が大好きです。 このセリフって、えらい「いい人」そうな雰囲気が出てしまって、ひねくれ者のワタシには耐えられないものがありますので、普段は口にいたしません。 が、本当は好きなワタシ。 これが好きな人の子供なら、もうたまりません。 メロメロです。 おもちゃにだってなりますし、奴隷にだってなります。 ママにそっくりな顔で、過剰なスキンシップ。 子供に対してヨコシマなキモチには全くなりませんが、やはり嬉しいものです。
で、ワタシの運命の人・ナナの、子供の話。
「なんでそんなに好きなの?」とナナも呆れるくらい、子供たちはワタシになついてくれております。 一日ナナ家と過ごせるときは、ナナとはまったく話さず(というか、話せず)、一日中子供たちと遊んでいます。 とはいえ、長女ちゃんはこの春から中学生なので、思っていることすべて口に出したりしませんし、べたべたもしてきません。 もう「子供」という領域から、一歩踏み出してしまっています。
というわけで、本日の話題の主役は次女ちゃんと末子ちゃんのふたりです。
このふたり、ワタシのことをよく「王子」と呼びます。 玉子じゃないですよ。と、軽くボケてみました。 自分の空想の世界で話をしたり遊んだりしているとき、ワタシは彼女たちの世界で王子になっているのです。
「王子じゃないよ。お姫様にして。じょりぃちゃん、女だしさ」とお願いしてみるのですが 「ダメー。じょりぃちゃんは王子。ねえ、『お姫様抱っこ」して、王子ー」 「はい」 どっこいしょ。 そうするともうひとりがやってきて 「王子がお姫様にするみたいに、くるくる回してー」 「あ、はい」 くるくるくるくる。
疲れた。めまいが。はあはあ。 体力も腕力もないんですよ、この王子は。
「じょりぃちゃんもお姫様やりたい」 「スカートはいたらいいよ」
なんだ、理由はそれだけのこと?
「じゃ、今度スカートはいてくるから。そしたらお姫様になってもいい?」 「ダメ。いいよ、スカートはいてこなくて。でも見てみたいからはいてきてね」 どっちなんですか。
ワタシのジェンダーロール的に姫か王子かと問われれば、これは間違いなく王子なんですね。 ワタシ別に男らしくはないけど、でも、ココロは王子。(例え現実の扱いが奴隷でも)
そういうのって、わかっちゃうのかしら。 それとも、ただ単に、自分がお姫様役やりたいから、王子役がほしいってだけなのでしょうか。
「じょりぃちゃんが王子なら、ママは何?」と、なにげに訊いてみるワタシ。 「ママもお姫様」 「パパは?」 「パパは・・・・お父さん」 「おねえちゃんは?」 「いじわるな姉」 そのまんまやんか。
わあい。ナナが姫でじょりぃが王子だー。 とよろこんでいいのかなんなのか。 王子ひとりで3人の姫か。悪くないですね。ひひひ。
という、下心がわかっちゃったりしてないだろうな。 と、ちょっと不安になってみたり。
次女ちゃんは今年、バレンタインのチョコレートを手作りしました。 3年生で。ませてますね。 とはいっても、「つくったのはほとんどあたし」とナナの弁ですが。
バレンタインデーのずっと前から「じょりぃちゃんにもあげるからね」と。 「嬉しいなあ。好きな男の子にもあげるの?」 「うん。あと、パパとおじいちゃんにもあげるの」 「みんな男の人だね」 「うん」 「じょりぃちゃん、女だけど、くれるの?」 「きゃははははは」 なぜ笑う。
そしてバレンタインデー当日。 ちゃんといただきました。手作りチョコレート。 とはいえ、次女ちゃんはまだ学校から帰ってきていなくて、ナナから受け取ったのですが。
「はい、これ、次女から」 「あ、どうも」 「なんでじょりぃにあげるのかな(笑)」 「なんでだろうね」 「あのね、あたし、次女に聞いてみたんだよ」 「なんて?」 「『どうしてじょりぃちゃんにあげるの? 次女ちゃん、じょりぃちゃんのこと男の子だと思ってるの?』って」 「そしたら?」 「『思ってないよー』って、なんかすごい恥ずかしそうでさー。 で、『でも、いつか男の子になると思うからさ』って、得意そうに言ってた」 「わはははははは」 「おもしろいよねー」
その何日か後、次女ちゃんに会えたのでお礼を言いながらチョコの話を。 「次女ちゃん、好きな子には渡したの?」 「あげないよ。好きな人なんかいないもん」 あれ?このあいだはいるって言ったのに。 「誰にあげたの?」 「パパとおじいちゃんとじょりぃちゃん」 あら、光栄です。 そのあと、ワタシの耳元でひそひそと 「ねえ、じょりぃちゃん。ホントは男の子なんでしょ?」 「え? 違うよ。お化粧だってしてるときあるでしょ?胸もあるし。ママより大きいよ(笑)」 「じゃあ、そのうちってことだね」
そのうちってことだね言われましても。
末子ちゃんはいつもワタシの胸を触ったりもんだりして遊ぶのですが(ワタシがいやがるのがおもしろいのかも)。 「ママとどっちが大きい?」子供相手につまんないこと聞くワタシ。 「んー。じょりぃちゃーん」 「よしよし」
なのに 「じょりぃちゃん、ホントは男なんでしょ?」といつも聞かれるワタシ。 だから女だって。 そう聞きながら胸をまさぐらないでください、末子ちゃん。
そして先日。 「末子が大きくなったら、じょりぃちゃんと結婚してあげるから」と末子ちゃん。 「女同士は結婚できないんだよ。知ってる?」 「じょりぃちゃん、ホントは男だから」 だから違うって。
そしてさらにコワイことに。
末子ちゃんは じょりぃちゃんがいるときはパパはいらない。 パパがいるときはじょりぃちゃんはいらない。 と考えている様子。 しかもこれは、どうもママとの関連が深いらしく。
ナナとワタシと末子ちゃんでお出かけするときは「パパ、アメリカに行ってていいから」と、パパを遠ざけようとし(なぜにアメリカ?遠ざけすぎだし)、パパとママと出掛けるときは「じょりぃちゃんはかわいそうだけど連れて行けないから」と言われてしまいます。
この4歳児は、どんな風に感じているのか。
「恋」とか「愛」の意味を理解していれば、 ワタシのナナに対する気持ちというのはもしかして察知できているのかもしれませんね。 まだそういう観念がないから、とりあえず「ママ」を中心に考えたときに、上記のような漠然とした矛盾を感じる程度にとどまっているようですが。 それにしても、パパとも楽しくお話したりしているワタシなのに、次女ちゃんも末子ちゃんも「パパ&じょりぃ」という組み合わせはこれっぽっちも浮かんでいないようで。
なんだかそういうところ、 コドモとはいえ、というか、コドモだからこそあなどれませんね。
そして、中学生になった長女ちゃんのことが、そろそろコワイじょりぃであります。 この子がまた母親に似て観察力の鋭い娘ですから、ぽーっとナナに見とれてたりすると、そのうち気付かれてしまうでしょうね。
気をつけなくちゃ。 と、本気で思っております。
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