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2005年09月24日(土) 20050924

昨晩ようやく到着したというEmgestromのセッションにいく。このセッションはドイツのRuockriemさんの発表と、Kangasojaさんが指導教員であるEngestromとやっている研究が発表された。このセッションはめずらしく2人で1時間半を使うというもので、詳しいプレゼンと議論を期待するとEngestromがいっていた。・・・のだが、ドイツの人はまるで時間を気にすることなく1時間10分かけてフルペーパーを読みあげた。内容的には壁に落書きをするという活動がもつ意味について社会文化歴史的観点から分析してみるというものだったのだが、ともかく長いのが気になって後半はよくわからず。

残り20分になったところでようやく読み上げが終了し、その後、Engestromの発表となった。Engestromはかなり早口で発表したが、15分くらいの発表の方がよっぽどにインパクトがあった。

Engestromはスケートボードや、バードウォッチング、Linuxのオープンソース、あるいは災害時の赤十字隊のような活動をとりあげていた。つまり、たしかな実体が固定してあるわけではないし、いつも草の根的に始まるのだが、ドゥルーズのリゾームのように働き、結果的にすごい力を発揮するような活動を分析する必要があるという発表をおこなった。彼はこういった活動を"wildfire activities"とよぶ。そこではrunaway objectsなるものが想定されている。

彼がこのような活動システムのメタファーとして提案しているのは、ボトムアップにぐんぐんとひろがり、なにか別の活動に寄生して発展し、すごいネットワークをもっているけれども傷つきやすい性質(vulnerable)をもつという意味で、切り株に共生している「菌糸」である。

これまでのかたい三角形をすてて、もっと柔軟にさまざまに形を変えるネットワークを射程にいれようとしているということらしい。聞いたところによれば、Engestromはここ数年、自身の研究のありきたりな展開に嫌気がさして、枠組みを根本から変えるようなことをしたいと思っていたらしい。今回の発表はその狼煙火のようなものかもしれない。

で、それはたしかに有効なのだろうけど、しかし、そうなってしまうとこれまでやってきた実践の良さはどうなるんだろうかという気もちょっとする。インターネットメタファーのように、さまざまなところがくっついてさまざまな変化がそこで創発されるのはいいけど、骨抜きのポストモダンなアプローチになってしまってはつまらない。従来のDWRがもつ「抵抗」によって相手の自由をひきだすという方法論の魅力もまたあるわけで。

最後はJerry Brunerの講演の予定だったのだが、やっぱりというべきか体調が思わしくなくて来られないということになったらしい。で、かわりに講演のビデオを上映することになった。ビデオとはいえ、動くブルーナーをみるのははじめてなので興味深かった。みんなビデオ上のブルーナーが冗談をいうたびに笑い、講演終了時には拍手でこたえた。まるで向こう側でブルーナーがみているかのようだ。

その後、Seth Chiklinの司会でISCARは閉会した。次回は3年後、オルガ・ヴァスケスを委員長として、アメリカの南カルフォルニアで開かれる。3年後、この会にくるときには自分もまた別のプロジェクトをたちあげていたいものだ。































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