2005年04月23日(土) |
「赤い長靴」/江國香織 |
江國香織の本の中に出てくる夫婦は現実離れしている気がする。もっと現実的なくだらないことも、日々のいろんな思いも結婚していればたくさん話すし、お互いに分かり合おうという気持ちはいちおうあるし、いちおうあきらめない―・・・はず、と思っていたのだけど。 この本を読んで、実はそんなこともないのかもしれない、と思ったのは、自分が結婚して時間が経ったからなんだろうか。と思った。
結婚した当初はもっと相手が分かりたい、分かって欲しいと思って相手に返事を求めたりいろんな要求を口に出したものだけど、最近そうゆうことが減ってきていることに読みながら気づきました。 でもそれはあきらめとか残念なマイナスな結果ではなくて、相手のことが(相手もきっと私のことが)分かってきているので、あえて昔したような討論を繰り返したりしようとはしないだけで、思想的な話が減ったりするのは恋愛中の盛り上がりを思い出せばさみしいかもしれないけど、今は今の二人の、家の中の空気の居心地よさがあって、外にいるときとか時々急に帰りたくなる―家が二人の世界で玄関は現実のと境界線で、というその感覚。 すごく分かるなぁと思いました。 たぶんそれは二人にしか分からない世界だけど、その居心地のよさ次第で結婚生活が続くかどうかは決まる気がする。危ういものだけど。 ただ、この本にでてくる旦那さんはあまりにも人の話を聞いていない気がします。 そこはそれ、小説なのでしょうけど、私だったらもっと聞いてくれる人がいいな。
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