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2005年04月20日(水) 「庭の桜、隣の犬」/角田光代

結婚して5年。宗二と房子は分譲マンションに住む夫婦。子供は
いない。房子はいつも実家に行ってはお茶を飲み、おかずをもらって家に戻る日々を過ごしていてたいした趣味もない。
そして、宗二は四畳半の部屋を借りている―。

舞台が知っている場所ということもあり、「結婚5年目」の興味もあって読み出したけど、話はぜんぜん違っていた。
房子も宗二もとても自分勝手だけど、みんなこうゆう部分てあるんじゃないかと思った。
大恋愛の果てというわけでもなく二人が結婚した理由は、お互いに他のひとにはない共通点を見出したのだと思う。この人ならとなら暮らしても楽そうだ、とゆうか。でもその共通点のために、何にも進めない、変われない二人に房子は気づいていく。

「ゼロにゼロを足してもゼロなんだよ、」という房子の台詞が印象的でした。でも二人でいてもこのままじゃ何も変わらない・変われない、ゼロのままだと気づいた瞬間から房子の中で何かが変わりはじめます。
最終的に房子は宗二といることの将来を選ぶ。それは何も二人のためとかじゃなくって、自分が変わらないと離婚しても自分はずっとゼロのままだと房子は気づいたから。

人は他人と暮らしはじめると、生活に変化が出来何かが生まれるような期待を持つと思う。でも何かが勝手に生まれだして感動させてくれるわけはない。そう改めて気づかされた気がしました。
ようは、自分次第なんだと。


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