縁側日記  林帯刀





2006年08月21日(月)  入道雲。


昨日にくらべたらそれほど暑いわけでもないのに、
頭が痛くて、熱もすこし。
冬に風邪をひいて、もっと熱があったときも、
こんなには体が重くなかった。
クーラーが静かに動いている。
薄暗い部屋の中。
車の窓を全部開けるだけで十分だった、昨日の帰り道を思い出す。

テレビの向こうは、もっともっと暑いんだろう。
甲子園の球児たち。
観客席。
応援の声。
ブラスバンドの楽器、
熱くなっているんじゃないだろうか。
さすがに火傷したりはしないだろうけど。
でも唇が楽器に触れるたびに、
その温度にびっくりしているかもしれない。
アナウンサーがひとりひとりの名前を読み上げていく。

涼しい部屋がまちがっているような気がしてくる。
足りないのは、汗の匂い、草いきれ、夏の光。


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