数年ぶりにバシュメット - 2005年10月16日(日) 久々、休日にコンサート。 そして場所も久々、神奈川県立音楽堂に 現代最高(ってか史上最高)のヴィオラ奏者、 ユーリ・バシュメットのリサイタルを聴いてきました。 音楽堂でやっている「ヴィオラ・情熱」っていう バシュメットの3回シリーズ(他の2回は協奏曲)の内の1回です。 バシュメットってヴィオラって楽器の範疇だけじゃなくて あらゆる音楽家の中で今、「偉大な」って言って間違いない一人。 弦楽器だったらギドン・クレーメルと並び立つ人。 (そういえばこの2人、出身もやってることも、レパートリーもよく似てる) ただ前半(バッハ「無伴奏チェロ組曲第1番(ヴィオラ編曲版)」とシューベルト「アルペジョーネ・ソナタ」)は、あれ?なんだか演奏が走り気味で上滑りしてて ちょっとこちらも集中して聴けなかった。 ことに音楽の部分と部分がつながるところで駆け出してしまうことが多くて、 なんだか丁寧さに欠いた印象が全体に波及してしまう感じで この人にして、こんなに集中力が欠くことがあるのか? 音楽と一体になりきれない、という時があるのか? と私としてもちょっと残念でした。 マイハニーも同じようなことを感じたらしく、 多分、かなりの人がそう感じたのではなかろうか、と思う。 でも後半、彼の率いるモスクワ・ソロイスツの弦楽器奏者と共演した ブラームス「クラリネット五重奏曲(ヴィオラ五重奏版)」は なんとも素晴らしかった。 これでこそバシュメット。 偉大な音楽家の演奏。 ブラームスが晩年、モーツァルトが書いた同じ曲、とびきり上等な音楽と同じ編成の曲を書きたくて作曲した、「人生の終わり、人生の秋に黄金色に実る」音楽を、 渋く、深く、豊かに響かせてくれました。 アンコールで再びやってくれた第2楽章! ああ、こんな素晴らしいブラームスの室内楽は滅多に聞けない。 素晴らしいひとときでした。 ことにこんな忙しくて、荒れた心にはひときわ沁みます。 ところで、後半始める直前に地震が。 コンサートには支障なかったですが、 皆さん、大丈夫でした?結構揺れ、すごかったけど。 ...
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