あおい世界
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2019年02月06日(水) |
本■咳と生活と万引き。 |
久しぶりに群ようこさんのエッセイを2冊。
『咳をしても一人と一匹』 は、 群さんと老猫との毎日が綴られています。 猫って手が掛からないイメージですが、 群さんの愛猫しいちゃんは、 女王様と形容されるほど、いろいろ要求してくるし、 食べ物や、室内の温度管理など、 とても大変だなぁーと思ってしまいました。 幼少期の出会いから、20歳間近の現在まで、 猫との2人?暮らしが続いているわけですが、 後半は同じネタの繰り返しでちょっと退屈でした。 でも動物と暮らすということは、 そういう退屈な中に愛しさが募るものなのでしょうね。
『かるい生活』 は、 体、物、しがらみを軽くしようとする想いが綴られていました。 親族に関することは、とても共感できました。 作者は幼少期に父親、その後、母や弟にがっかりしたらしく、 どの家にも血縁だけど関わりたくないという付き合いがあるのだなと、 しみじみ納得しました。
『万引き家族』 は昨年、映画を観てとても良かったので、 原作も読みたくて借りました。 是枝裕和さんのノベライズ作品なので、 当然、映画とまるっきり同じものを読むことができましたけど、 やっぱりいいものはいい。 万引き、年金不正受給、虐待、風俗、死体遺棄など、 元は犯罪で繋がった偽装家族なのに、 優しさ、弱さ、切なさに溢れていて、時々ほろりと笑ってしまう、 そんな人間味を感じさせる内容です。 是枝作品は 『そして父になる』、『三度目の殺人』 など、 自ら監督として手掛けたノベライズが出ています。 どれも人の心の複雑さなど、考えさせられるものばかりです。 今後も要注目です。
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