あおい世界
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2010年10月15日(金) |
本■テロと利休と音楽。 |
藤原伊織の 『テロリストのパラソル』。 江戸川乱歩賞と直木賞を同時に受賞している作品だけあって、 面白かったぁーーー。 若い頃、学生運動をしていたアル中の主人公は、 名前を変え、目立たぬようにひっそりと生きていたのですが、 ある爆破事件をきっかけに、 20年前以上の事件との関連で追われる立場になります。 しかし追われるだけではなく、追う側にもなり、 複雑な人間関係の中で真実が明らかになります。 思わず読み終わった後で、人物相関図を書いてしまったほど。 大掛かりで、入り組んだ犯行と思いきや、 ラストで分かる犯行に及ぶ経緯は、 単純な三角関係や、嫉妬によるものでした。
山本兼一の 『利休にたずねよ』。 苦手な歴史に関するものか、 千利休の話だから、きっとお茶のことだろうと思いきや、 24章に分かれた記し方は、利休が自害するシーンから始まり、 過去へ過去へと遡っていきます。 章ごとに、利休、秀吉、信長など何人もの目線で語られているので、 それぞれの思惑が分かります。 男同士の見栄の張り合いだったり、 女同士の意地の張り合いだったり、 利休を中心にいろんな人間模様が分かります。 そんな中、物語上、一本筋が通しあったのは利休の一途な恋心。 それが全ての人間関係に影響を及ぼしたと言ってもいいくらいでした。 歴史ものは苦手ですけど、 こういう心情を中心に描かれているものなら、もっと読みたいと思います。 なかなか奥深く面白い本でした。
最後に、瀬尾まいこの 『優しい音楽』。 軽いタッチの恋愛物が3編。 ゆるりとした感じの話ばかりでしたが、 どれも女の子の方が主導権を握っていることや、 ちょっと不思議な設定になっていることなどの共通点がありました。
知らない作者さんはまだまだいっぱい。 素敵な出会いが楽しみ。♪
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