あおい世界
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2010年06月16日(水) |
本■シャンプーと対岸とホテル。 |
島村洋子さんの 『シャンプー』 。 ボタンの掛け違いによる若い男女の出会いから発展した恋愛物ですが、 意図的に仕組まれていたことに気付いた時には、 もう好きになっていたなんて、幸か不幸かって感じですよね。 最終的には結果オーライって話かな。
角田光代さんの 『対岸の彼女』。 面白い構成の進め方で飽きずに読めました。 ラストはそういう風につながるかという流れ。 男性同士の付き合いに関しては分かりませんが、 女性同士の人間関係が如何に複雑か、 そしてそれは若いからとか、年を重ねたから克服できるものではなく、 いつ自分が気付いて、うまく立ち回れるようになるかってことかなぁ。 立ち回るという言い方は聞こえがよくありませんが、 あくまでも自分が有利になるためではなく、 少しでも居心地よく、本音で過ごせるようにするためのこと。
実際、あたしも友人とのあれやこれやよりも、 それ以外で付き合わなくてはいけない人間関係で辟易したこともあるので、 ページを捲りつつ、切ないほど分かる部分もありました。 でも違うなぁと思う部分もあり、それが逆に面白かったです。
山崎洋子さんの 『ホテルウーマン』 。 シングルマザーが仕事に奮闘するという話でしたが、 現実的ではない部分が多々ありました。 ホテルという厳しい組織の中で男性社員と肩を並べて働くくらいの人が、 難病を抱えた幼い我が子を会社に隠したまま、 研修だの残業だのできるわけがない。 いくらお金を掛けてベビーシッターを雇いましたという設定でも、 実際、肉親に頼ることなく、数ヶ月過ごすって有り得ないと思いました。
文中、何度も出てくる言葉に、 恋愛も仕事も子供もと欲張りだから全部中途半端とありますが、 中途半端になる以前の問題だと思います。 実際、途中から親に頼ったり、子供の存在が会社にばれたりするのですが、 それまでも無理だと思うなぁ。 何となく主人公に共感できぬまま読み終えました。
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