あおい世界
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あたしが慰労会で泊まりに行った日。 突然、実家に兄貴が来たそうです。 一人だと思っていた母は、 やりかけの用事を終わらせてしまおうと動いていたところ。 背後から聞き覚えのある声。 数年ぶりに会う孫のマサトくんでした。
最近、兄貴とマサトくんは時々会っているようです。 もちろん元妻には内緒。 本当は一緒に暮らしている家族に言えない行動をさせるなんていけないことですが、 相変わらず元妻は兄貴と子供たちとの接触を拒んでいるのです。 それでもマサトくんには男親が必要で兄貴を慕ってくるようですし、 兄貴だって当然我が子は愛しいのです。
この春、中学生になるマサトくん。 小柄で少食だそうで、母が食べるように出したイチゴを、 夕食が食べられなくなると疑われるからと少しだけ食べたそうです。
母は元妻と孫二人が元気でいられたことに安心し、 元妻のことを何一つ悪く言わず、 いつでも、力になる気持ちがあることや、 いつでも、三人のことを心配している気持ちを伝えたそうです。
母があたしに話す時の顔からは、 会えたことに対する信じられないくらいの喜びと、 嬉しさが伝わってきました。 その反面、母親に気を遣いつつ、 父親に会いたい気持ちを抑えられないマサトくんの心情を察し、 母とあたしの目には熱くなるものが溢れていました。
昨年、桜と同じく小学生になった妹のノリエちゃんへの入学祝もまだだったので、 この春、中学生になるマサトくんへの入学祝と合わせて、 祝い金をあげたそうです。
でも、マサトくんに万単位のお金を預けるわけにはいかないので、 そこは父親である兄貴に預かってもらおうねと渡したそうです。
マサトくんは久しぶりに会った祖父母をどう思ったのでしょう。 ある程度大きくなってからの離婚だったので、 母親が話す嫌悪感をまともに受け取っていたとは思っていなかったけれど、 改めて、祖父母の愛を感じられたことでしょう。 ノリエちゃんは、まだまだ小さかったし、 母親の心情をそのまま聞かされているとしたら、 同じような嫌悪感を抱いているかもしれません。
いつかノリエちゃんにも会えるといいね。
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