あおい世界
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昨日、保育所でショッキングなことを言われました。 昨年桃の担任だったミズホ先生(今年、桜の担任)が、
桃ちゃ〜ん。 ママに今日のこと、言っちゃおうかなー。。。 いえね、桃ちゃんすごく意地悪になることがあって。。。。
桃が意地悪なことをしたという話を聞かされました。 このとき、あたしはミズホ先生の言い方が嫌だったのです。 桃の前で言いつける子供のように、ふざけた言い方がすごく嫌だったのです。 それで、ついつい先生の意見をお伺いしようと思ってしまいました。
誰か、特定の相手になんですか? こっちはどう対処するべきなんですか? 意地悪な子って、本人に言ってもいいことなんですか?
今日になって思います。 なんて愚かな母だろうと。 自分の子の非を指摘されたことを、 その言い方が気に入らないなんて逆手にとって、 先生に問いただすなんて、恥ずかしいことをしてしまいました。 帰り道、少しイライラしながらも桃に話しました。
桃さー、お友達に優しくできないの? 今、ミズホ先生にお話聞いて、ママ、すごくびっくりしちゃったんだけど。
できるよ。
そう?! ホントに?! お友達に意地悪する子は、保育所に通えなくなっちゃうよ。 そういう子は、みんなを困らせちゃうでしょ?! だから、優しい気持ちをもとうね。 ママも、桜も、みんなで優しい気持ち、大事にしようね。
桃、分かったような分からないような……そんな顔つきでした。
今日の夕方、桃の担任であるユウコ先生(昨年は、桜の担任)に聞いてみました。
桃が最近、また意地悪さんになっているそうですけど、 どうなんでしょう?
そう切り出すと、ユウコ先生はちょっと真面目な顔になり、 辺りに桃がいないことを確認してから話し始めました。
んーー、そうなんです。 私としては、少し深刻なんです。
そういって説明してくださいました。
レイちゃんという女の子にだけ、、、らしいのです。 桃が意地悪と意識してやっていることなのか、 悪ふざけの延長なのかは微妙だとのこと。 ただ余りにも度が過ぎているときに強い口調で注意すると、 あ、やっちゃった、って顔をするときもあるし、 気の強さでもって反抗してくることもあるらしいのです。
桃の言い方がきつかったり、乱暴だったりするだけで、 さほど意地悪じゃないこともあるみたいなのですが、 レイちゃんはもう桃に意地悪をされると決め付けているところもあって、 すぐに先生を頼るところもあるようです。 そういう風にさせてしまったのは、もちろん桃だと思います。 ただユウコ先生は、言います。 クラス全体で少し風潮が乱れてきているし、 レイちゃんが成長することも必要なことなんですって。
桃に強い口調で、
レイちゃんを仲間に入れてあげないのなら、桃ちゃんが外に出てて。。。 と、廊下に出してやったこともあるそうです。 そんなときも、最初は強気で生意気な態度をとる桃。 だんだんと泣きべそ状態になるようですが、 あまり堪えた様子はないらしいです。
家で、あたしへの反抗を思えば、それを想像することは容易なことです。 だんだんだんだん事の重要さにあたしは泣けてきました。 泣いたって、先生が困るだけだということは重々承知しているのに、 じわりじわり涙が溢れてきました。 愚かな母です。 本当に泣きたいのは、レイちゃんじゃないか、 あたしが泣いてどうすんだよーーー。
昨日あたしが桃に言って聞かせたせいかどうかは分かりませんが、 今日は幾分よかったようです。 なので今後も家で話題にしていくことを先生に話すと、 ユウコ先生もずいぶん困っているとみえ、
お母さんがそういう気持ちをもって、協力してくださると、 私もすごく心強いし、助かります。 これは、クラス全体的なことでもあるので、 一年を通してというくらいの長期戦になるかもしれないな、と思ってますので、 よろしくお願いしますね。 なんか、落ち込ませてしまって、お母さん、ごめんなさいね。
と言ってくださいました。 迷惑をかけている我が子のことを、 そんな表現をしてくださる先生に頭が下がる思いです。 なかなか帰れないあたしのところへ、 桃が近づいてきて不思議そうに言います。
ママ、目、赤いよ。顔も赤いよ。 どうしたの? どうして泣いているの?
ユウコ先生との話が終わってからも、あたしの目はウルウルしたままです。 不思議がっている桃に、正直に話しました。
ママ、ユウコ先生とお話してたら、悲しくなっちゃったの。 だって、桃、お友達に優しくできないみたいじゃない。 レイちゃん、桃に意地悪されて、悲しくなってるって聞いたら、 ママも、すごくすごく悲しくなっちゃったんだよ。
桃、神妙な顔になりました。 家に着くなり、かばんを下ろすと、あたしの元へとやってきた桃は、
ママ、桃、フウリちゃんが混ーぜーてーって来たときに混ぜてあげたよ。
もーちゃん、フウリちゃんじゃないよ。 レイちゃんだよ。 レイちゃん、もーちゃんに優しくされないと悲しくなるんだよ。 ママも、それが悲しいんだよ。 もーちゃんは、本当はとっても優しい子なんだから、レイちゃんにも優しくできるでしょ?
そう、涙を流しながら話すあたしの前で桃もぽろぽろと泣きながら、
うん、できるよ。 桃、レイちゃんに優しくできるよ。 ママ、ごめんなさいぃ。。
そういう桃を抱きしめました。 今は分かったような気になっていても、 明日になれば、また忘れてしまうかもしれません。 でも、今日の桃の涙を信じたい。 少しずつでいいから、伝わって欲しい。 意識して直して欲しいと、強く思わずにはいられません。
ちなみに、フウリちゃんというのは以前、混ぜる混ぜないで、もめていた子なのですが、 桃は、あれ以来すごく意識して直したようで今では大の仲良しになっています。
なので桃はとっさにフウリちゃんと仲良くしているのに、 と思ったのかもしれませんね。
母として、ああいう場面で泣くなんて情けないと思いつつ、 あたしの涙で、桃の気持ちが正せるなら何度でも泣けます。
明日から当分、保育所で桃の様子を聞くのが怖いような気もしますが、 避けて通れぬ親の立場ですね。
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