sasakiの日記
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2013年11月25日(月) たくさんの紅い雀が空に飛び上がる

一本の木からたくさんの小鳥が空に向かって飛び上がっていく、と思ったら風にあおられた今年最後の枯葉が空に上って行く瞬間だった。
札幌は午後から天気が変わり、急に風が強くなり、雨もふりだした。
木の葉は枯れて終わりになるのかと思っていたら、木から離れて空中にダイブし、そして、地上に降り立つのが目的だったのだと、今まで思いもしなかった感想を持たせてくれる散りざまだった。
今まで見た中で一番カッコいい葉っぱの群れ達だった。
いつまでも覚えていて、折があったら何か詩の断片で使おうと思ったけど、何処となく品が無い考えに思えて来て、ここに散らすことにした。
今年の秋から冬にかけての移りゆく様はとても穏やかに、緩やかに、猫の背中を撫でてゆくように淑やかに移動している。
間違いなく雪は降る。

レコーディングは順調に進んでるかもしれない。
実のところ、よくわからない。
進んでるのだけれど、スタジオに入り、楽器のダビングが進むに連れて楽曲の表情が
変わる。
予算の中では賄えきれないような贅沢なことをやっている気がして怖いんだけど、これが曲の進む方向ならば仕方がない、どこでなんとかなるだろう、という、この年で持っちゃいけない勇気がりんりんとわいてくる。
メンバーやダイレクションに関わった人たちには後で深々と頭を下げるけど、今回のテーマの一つ、「僕らはこの先一体何処に行くのだろう?」の方向性の謎に向かって行けばいいのだ。

歌を何曲か入れ、後日OKテイクを聞き直してみるとまだ行ける、もう一回歌い直してももっと良いテイクが取れるとはっきりしているものがある。素人みたいといわれるかもしれないけど、四の五の言わずに取り直す。明らかに後テイクの方がいい。
それと、僕が今まで自分でも聞いたことのない歌を歌ってる。「そうか、僕は今こうやって唄ってるんだ。」
輪郭が別の人みたい。どうしてこういう風に歌えたんだろう?というくらいいい。
僕しか気がつかないのだとしたら、それはそれでいいんだけど、何回か聞いてもらい、ある日ぼんやりと「あっ、歌が違う!かっこいい」くらいの変化かもしれないけど。それでもいい。
手前味噌といえばそれまでなんだけどね。

「11.22.63」S・キング
小説筋肉が半端じゃない人だというのは重々分かっていたつもりでも、ここまで体力がある人はいない。つくずく稀代の作家。
所々に自分の昔の作品を削って入れ込んでいたり、1960年代のある意味、アメリカの黄金時代を書き込む事はこの人にとって大蔵ざらいみたいな楽しい作業だったのだろうな。幾分後追いの世代ではあるけれどまあ、ドンピシャの年代のグラフィティとしては十分以上楽しい。時々、ブラッドベリみたいに美しい描写があって応えられないなあ。それと、こんなに真面目にラブストーリーを書いてるのも珍しい。下巻の半分ちょっとまでしか読んでないけど。
筋肉は鍛えれば鍛えただけ発達するし、劣化を防げるのがキングを読んでるとよくわかる。

それにしても僕はまだまだ若い。
みんなもそうだと思う。
Fight!

おわり


sasaki