戯言 目次|過去|未来
何もできることがなくて 君が苦しんでいる時 あたしは何もしてあげられなかった ただ苦しむ君を見て あたしも苦しいだけで 君はそんなあたしを見て 「ありがとう」なんて言ったけど そんな言葉は いらなかった あたしはただ 君が本当に笑った顔を 見たかった 君はいつも 悲しい顔をして 笑った顔も 悲しい顔で あたしもつられて 悲しい顔になると 君はまた悲しい顔に笑顔を浮かべて 「ありがとう」って言った 結局最後まで あたしは君の笑顔を見ることはできず 君は悲しい顔のまま 消えてしまったね だけど最後の 君の顔は 悲しい顔だったけど とてもきれいだったよ きっと 今から自由になることが とても嬉しかったんだね あたしは そんな君を 今でも うらやましく思う 君にはもう 伝わらないけれど
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