朝、目が覚めたとき、なんとなく気持ちが重かった。
昨日は『蟹 あきみつ』で、お父さんの退職祝いを家族6人でお祝いした。奈実たちは帰ったけれど、まゆみと亮太はそのまま家に泊まっている。
どうして朝からこんな気分なんだろうと考えてみたら、お父さんへのプレゼントのことが気になっているのかもしれないと思った。
子どもたちからは3Dプリンター、私からはパソコンをプレゼントすることになっている。どちらも設置や設定が必要で、子どもたちに任せてあるとはいえ、ちゃんとスムーズにできるかな、と少し心配していた。
でも、そんな心配は取り越し苦労だった。
亮太はパソコンの設定をして、まゆみは3Dプリンターの組み立てをしてくれた。二人で頑張っている姿を見て、頼もしいなと思った。
それだけじゃない。
まゆみは、あまり甘くないスイカを蜂蜜で甘くして、スイカジュースを作ってくれた。初めて飲んだけれど、とても美味しかった。
亮太にも驚いた。
昨日、お父さんのお酒がなくなったコップを見て、何も言われていないのに呼び鈴を鳴らしてくれていた。それに、車から家までの荷物も、何も言わなくても運んでくれた。
そんな姿を見ていたら、知らない間にみんな成長していたんだなと思った。
子どもたちが小さかった頃のことは、つい昨日のことのように覚えているのに、いつの間にか、自分で考えて動いて、人のことにも気を配れる大人になっていた。
朝はあんなに気が重かったのに、今はそのことすらすっかり忘れている。
今日は、お父さんの退職を家族でお祝いできたことも嬉しかったけれど、それ以上に、子どもたちの成長を改めて感じられた一日だった。
なんだか、心があったかい。
嬉しい一日になった。