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■ 死刑と餓死と無神経なツィッター
死刑
前回の裁判に引き続き、大岡裁きが成された。
まさに聖書外典の「ダニエル書補遺」のような大岡裁きだ（脚注参照）
司法にとっても難しい判断の事件だったと思う。
聞くのも痛ましい母子殺人事件の加害者である当時少年だった男の死刑が確定された。前回の最高裁の「死刑以外、ありえない」と差し戻し審のときに、たった一人残された遺族の父親が「最高裁が判決を下してもらいたかった」と述べていた。結局、高裁で「死刑」になり上告し、最高裁に棄却され死刑が確定した。
驚くべきは、この被害者の父親であり夫である人の精神力の強さ。恐ろしい光景を目の当たりにして悲しみの中で初期の地裁での「無期懲役」判決に対し「出所したら私が殺します」と述べたとき、それまで普通に暮らしていたサラリーマンという人間を此処まで変えてしまうのか、と驚き感服した。
そして、今回の判決後、死刑確定について感想は？と聞かれ、前述の言葉の答えたる最終解答を述べていた。
「事件が起こったとき、誰も勝者はいないんです。皆が（加害者も被害者も遺族も）敗者なんです」
このお父さんは、ある意味、個人で「少年法」「司法」のファジイな闇に革命を起こした人間だと思います。この「ルール、ルール、過去の判例、過去の判例。他人に厳しく、自分に甘く。入金入金入金入金入金入金入金入金入金入金、警察警察警察警察警察警察警察警察警察警察警察警察、大門軍団大門軍団大門軍団大門軍団大門軍団、４５７７円で焼き肉食べたい４５７７円で焼き肉食べたい４５７７円で焼き肉食べたい４５７７円で焼き肉食べたい４５７７円で焼き肉食べたい」というお堅い日本の中で。
しかし、判決文や弁護団の弁論を読んでいると「加害者の少年は実父から虐待を受け、実母は首吊り自殺をおこない、直ぐに実父が外国人女性と結婚し、異父兄弟が生まれるという異常な環境で育ったため、事件当時、１８歳と１ケ月であるが１８歳未満の幼稚な子供であった」などと環境のせいにしているが、的外れも良いとこで、異常な環境で生まれても正常な環境を取り戻している（もしくは獲得している）人間の割合は限りなく１００％に近いだろう。とはいえ、環境の影響は個人的には否めない。
また、一審、二審で容疑を認めてきた被告が一転して高裁で「ドラえもんに助けてもらおうと思った」「小説「魔界転生」を読んで蘇生のために●●●をおこなった」などという荒唐無稽な罪状認否を行い（裁判長により悉く論破されたが）挙句の果てに検察に「僕をなめないでもらいたい」などと発言し、弁護側が発言の謝罪をするという異例で異常な状況なので、この判決は致し方あるまい。
死刑反対派弁護団も被告自身もどっちも死刑に向かって裁判をしていたと言わざるを得ない。もしも、「反省してます」という方向性（例の友人に宛てたという無反省の手紙がある限り、パフォーマンスにしか見れないだろうが）だったら違う判決で世論も暴動寸前だったかも知れない。そういう意味では、なかなか深い事件であったと思われる。今後の裁判に影響を与える事件だと思う。
しかし、映画「セブン」の劇中の言葉を脚色して借りれば「十八歳から楽しい二十代をまるまる塀の中で暮らして死刑。二度、地獄を体験するわけだ」ということになる。
脚注：「ダニエル書補遺」聖書に掲載されなかったものを良いものでも外典と言われる。外典といっても悪いものではない。ただ、収録されなかっただけ。ダニエルは大岡越前みたいな裁判官で様々な良い裁判をおこなった。シェイクスピアの「ベニスの商人」でラストの裁判の下りで「ダニエル様の再来じゃ！」と観衆がざわめく際の台詞の名の由来が、このダニエルである。
餓死
６０代夫婦とその息子３０代の男性が餓死して発見された事件。電気もガスも止められ水道の水と飴玉で生きていたという。
さて、私の場合、電気、ガス、水道すべて止められた経験がある（本当）
別に電気、ガスはいいんですよ。けど、水道ってかなり困る。よく人は「公園にでも行って水汲んでくりゃいい」というけど、そうではない。
しかし、これ、周りの住民も民生員も行政も何とかならなかったのかな？と思う。
察するに（あくまでも推定です。事実と全然違います）「住民登録をしていない」というと恐らく別の場所から夜逃げとか逃げてきた人なのかも知れない。貧すれば鈍す、で、こういう状況だと「住民登録なんかしたら役所が情報をばらす」とか「民生員に相談したら近所にバラされる」などという荒唐無稽な弱者特有の被害妄想に陥るのだ。
いわゆる貧者のプライド。私の実母がそうです。「知人に金を借りるとバラされるから金を貸して」と家族に泣きついてくる。まあ、ある時期を境にバッサリ切り捨てましたけどね。
（今回の事件の被害者はこういう事情で無かったと思いますが）
本来、生活保護を受けるべき人間が受けられなくて、ずる賢い人間が生活保護という甘い汁を吸っている、また日本の悪いシステム。
しかし、３０代男性の餓死はきつい。かなり苦しんだであろう。３０代で餓死というのは時間がかかる。考えただけでもぞっとする。
ただ、続報で猫も死んでいて、猫が食い散らかしていないことから一家心中の線もあるということで、苦しまずに死んだのかもしれない。
無神経なツィッター
ある居酒屋チェーン店で異常な労働により女性社員が自殺をした。それらが労災に認定された。その際に、そのチェーン店の会社の社長がツイッターで亡くなった社員について悲しみの弁を書いている。
普通、公式文書、会見で言わないか？そういうの。人が死んでるんやで？
最近、ＳＮＳの使い方を間違っている人が多い。ツイッターやFacebook、LinkedIn は日本人は使い方を間違えている。
正直、この社長は苦労人なので俺は好きな部類の人間である。しかし、殆どの苦労人で大成した人は「俺が頑張って出来たんだからお前らも出来ないわけないだろ？頑張ってない証拠だ」と旧日本軍のような精神論を振りかざすので社員が困る。
私の前社長の元上司で世界に名だたる大企業の社長一歩手前まで行った人がいて前社長が、その仕事のパーフェクトぶり（例えば会議前に帳簿などの数値的データを完全に記憶、顧客クレームの全ての熟読等）に
「何故、あなたはそんなに仕事が完璧に出来るんですか？」との前社長の質問に、
かなり高い身分の役員という立場なのに確かに仕事量、労働量、密度は他人に真似出来ないほど必死で仕事をしていたという。その元上司さんは大企業の社長になれなかった。実力で負けたのではなく、派閥争いで。それを聞いて前社長も大企業のそういう色に嫌気が差したという。
帝王学というのは難しい。よく、世襲制度の批判を聞くが、帝王学に関しては意外にも世襲制のほうが遺伝子的にインプリンティングされているのか素養が幼い頃からあるケースが多いと思う。
今回の事件は経営者が帝王学があるか、ないか、の違いによるものかも知れない、と個人的に思う。
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2012年02月21日(火)
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