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■ ボーナスの話(実話)
入社してまだ四か月目のことだった。業界経験があるとはいえ、中途入社の立場もあり試用期間の三か月を過ぎても初心を忘れないように真面目に働いてきた。
ある朝、会議室のテーブルに部署の各社員の名前の書かれた封筒が置いてあった。スピーカーホンの向こうから海外のリージョナル・マネージャーの説明がある。インセンティブ(ボーナス)が支給されるということだ。
「このインセンティブは能力ではなく、敢えて各人員の勤続年数で割り振っている」
その封筒の中には「40,000」の書いてあった。隣の勤続年数の長いお局女性マネージャーは「560,000」と記されていた。横目で見ていたのがいつしか羨望の眼差しに変わったが入社して四か月めにして寸志にしては十分な4万円も貰えるとは有難いと喜んだ。
全員が言葉を失って床にへたりこんだ。
2011年10月25日(火)
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