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■ 焦げて濡れた唇の傷痕にくちづけをして■娘さんとの未来予想図
あなたに逢えない時間がただ過ぎていく
それは逢えるその日まで時を早送りしてゆく
その場しのぎの麻酔による怠惰に過ぎない
過ぎ行く昼の数だけ長針と短針は刹那的な
抱擁を十二の数を指しながら続けた
目を閉じたかりそめの眠りのなかで
逢瀬の叶わぬ皮肉に名付けられぬ夢の残滓
ひと滴の涙も伴わぬ孤独な画像の行進
逢いたい思いと会えない悲哀が相対して
無益な口争いは心の内壁を壊しながら
手を繋ぎながら円舞曲を踊り続け、
いつしかあなたの内壁に滑り込む様に似た
いつまでも馴れぬ不器用な錬金術が造る
煙のような眩暈を観る
過ぎ行く夜の数だけ長針と短針は刹那的な
挿入行為を真っ直ぐに十二の数を指しながら
続けた
あなたの指が爪弾く楽譜は指揮棒の主の秘めた
欲望を煽り、激しく指揮棒は振りあげられる
まるで声を欲するように荒々しく指揮棒は
あなたという肢体の四重奏の前で踊り狂う
楽譜など要らない。
綺麗事を重ねても文字に魂など宿るわけなどない。
声だけで満たされない。
その声帯を隠した唇が見えないから。
二人を隔てる風も時間も忌々しい壁に過ぎない。
いくつかの硝子の向こうにはあなたがいる、いま
いくつかの衣を通り過ぎればあなたの肌がある、いま
互いを邪魔するものはもの言わぬ風と
小さな金属音を微かに呟き刻み続ける時間だけ
過ぎ行く夜の数だけ長針と短針は刹那的な
性行為のさなかに血で硬くなった秒針が嫉妬
混じりに通り過ぎた
不意の侵入者はあなたの中で激しく踊りつづけ
焦げて濡れた唇の傷痕にそっと濡れた舌を這わす
しみるような微かな痛みはあなたの神経に
一夜だけの陽物の幻想をみる
ベッドの上でシェヘラザードの唇を身体中に這わせ
前髪が幾つもの指の様に肌に這いずりまわり
声帯の扉の鍵を開き吐息という名前の落とし子と
溜息の双子をその唇に孕ませる
昼と夜が分からなくなるぐらい
男なのか女なのか判らなくなるぐらい
赤い血なのか白い液体なのか解らなくなるぐらい
永遠に焦げて濡れた唇の傷痕にくちづけをして
濡れた互いの舌がもうひとつの器官のように
あふれてくねりながら。
2003年10月30日(木)
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『娘さんとの未来予想図』
この日記を延々と書きつづけることを前提で書くと、将来的に「娘さん、反抗期」、「娘さんと初マジ喧嘩」などの掲題が並ぶことでしょう（笑）一番怖いのは「娘さん、家出」「娘さん、変な男を連れてくる」・・・あって欲しくない掲題です。
有力候補は「勉強のことでママと娘さん大喧嘩」とか、「娘さん、門限破る」とか、ありそうですね。ちなみに門限ルールは厳しくするつもりです（ひでー
やはり、未成年の女性の夜遊びはいけません（厳っ）
まあ、人生良いことばかりではない。実際には社会は厳しい。けれども、どんなときもパパの遺伝子を受け継いでのんのん呑気に幸せであって欲しい。
2009年09月30日(水)
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