The Green Hills of Earth
2010年02月12日(金) |
蹴鞠について / 実家へ / カーリング |
幹事クリタのコーカイ日誌「2月12日 ● サッカー代表にもっとリスペクトを。」を拝見しました。
私は、日本のサッカーを「蹴鞠」呼ばわりしている張本人ですから、私なりの意見を書いてみたいと思います。
クリタさんが言わんとすることは、「選手を尊敬すれば、そんな厳しいコメントはできないはず」と言うことでしょうか? つまり世界のトップレベルを日本の選手に求めるのではなく、日本チームのレベルで世界を見上げるべきだと…それは一理あるんだろうなぁと思います。選手と同じレベルの目線で世界を目指して、選手と同じレベルの目線で応援することは楽しいし、一体感も生まれるでしょうし、何よりもそれが一番良い選手とファンのあり方だなと強く思います。
でも、ファンの形はそういうものばかりではありません。私が「蹴鞠」だと揶揄するのは、その尊敬すべき選手の基礎が疎かになっていることへの不満からなのです。確かに選手の技術はすごいものだと思います。しかし、それが国際試合となると情けない試合をするのはなぜか…
日本の試合を見ていて、いつも目につくこと。1つは闘志が見えない。1つは体力がない。そして1つはボールコントロールがまともにできないと言うこと。
闘志が云々と言うのは、技術の未熟さに闘志が空回りしていると言う部分もあるので、ここではあまり重要ではありません。体力がないのは、日本人なら宿命というものでしょう。しかし、ボールコントロールのヘタさと言うのは、単に努力を怠った結果でしかありません。
ここ一番の勝負どころと言うところで勝敗を分けるのは、努力に裏打ちされた実力でしょう。練習の成果があるから、自信を持って出来ることをした結果が勝負に現れるのではないでしょうか。
しかし、サッカーの試合では、多くの選手がかなり多くのボールコントロールミスをしています。それをミスと言うのは酷かもしれませんが、自分の足元に落とせておらず、トラップした球を相手にとられたり、シュートチャンスを逸したり、パスのタイミングを逃したり…
なぜ、欧州や南米のサッカーを見ていてワクワクするのか。それはそういう基本がしっかりした上で繰り出される技を見ることができるからです。そしてなぜ日本のサッカーがサッカー以前の蹴鞠でしかないと言うのか、それは技術的裏打ちがない、ちょっとしたことでボールのコントロールさえ覚束ない程度の技術の上で小手先の技を披露して、結果サッカーの醍醐味である試合の組み立て、戦略がなく、単なるボールを蹴って回しているだけのお遊戯になって面白みに欠けるからです。
Jリーグが発足した当時は、日本のサッカーと言うのは、ここでも何度か書いていますが、「兎に角ボールを前に蹴り出せ。運が良ければゴールに入る」と言うような感じでした。おしくらまんじゅうにボールを入れたようなもの、猫じゃらしに戯れる子猫集団のようなものでしょう。その当時から「日本がサッカーをするようになるにはあと3世代位かかる」と私は思っていました。すでに世代は1つ代わり、おしくらまんじゅうから蹴鞠…少なくともボールに関係ない遊びからボールを蹴る遊びに進化しているのです。しかし、まだまだサッカーと言う競技には程遠いと言う事なのです。
選手を尊敬して、選手と同じ目線で世界の中で応援する…これも応援するものとしての醍醐味だと思います。しかし、そういう選手と一体になって応援することが苦手で、家の中で一人評論家気分で応援することが好きな私のようなタイプには、どうしても「世界との差」が気になってしまうのですね。それもU-16など少年時のサッカーでは世界を相手に堂々と渡り合える日本のサッカーが、なぜ大人になると通用しなくなるのか…それは、その間に基礎力に大きな違いができるからではないでしょうか。折角ある小手先の技術も、それがどんな体勢でも、どんな状況でも安定して繰り出せなければ意味がありません。偶然が重なった結果発揮できる技は実力とは言わないでしょう。そこが歯がゆくて、応援した気持ちはあるけれど素直に応援し切れないんだと言うことですね。
そう、世界でボルグとマッケンローが壮絶な試合をしていた頃、日本のプロテニス界を背負っていた神和住さんや福井さんを近くで見た事があります。確かに日本を代表するプロ選手で、すごい選手だとは思いますが、でも、この方がウィンブルドンのセンターコートに立つ姿はやはり想像できなかったなぁ…ロッドレーバーさんやキングさんの試合に興奮はしたし、そのキングさんのパワーテニスに立ち向かうエバートさんの妖精のようなテニスにうっとりしたけれど、それと同じレベルで日本のテニスを見る気にはなれなかった。そういう意味では、私は昔から「選手と一緒に」タイプの応援団としては失格なんでしょうね。
選手が頑張っているのに、勝っても叩かれるのはかわいそう…私も、いわゆるサポーターと言う一部の狂気集団の行う抗議行動とかバッシングメッセージには滅入るものがあります。例えば日本代表の監督が決まって、短いスパンですぐに結果を出せと騒ぐのは無責任にもほどがあると思います。「頭が変わっても兵隊は同じなんだよ」とか、「頭に合わせて兵隊も動きが変わるんだから、そんなにすぐ結果がでるか!」と叫びたくなります。
そう、私はそれら狂気集団とは一線を画しているつもりでいます。彼らはその場その場の要求を無責任に野次としているだけ。私が勝っても褒めず、一貫して否定口調なのは、基礎技術向上が感じられないと言う事で、長いスパンに基づいた応援の経過なのです。
端から見れば五十歩百歩で同じセクトとみなされるかもしれませんけれど、そこにはマリアナ海溝より深い溝が存在しているつもりです。
結論を一言でまとめると、「一部ひどい応援もありますが、応援の仕方には色いろあるんですよ」と言うことになりますでしょうか…ただ、選手はバッシングをも前進する力に変えなければならないと強く思うことも事実ですがね。
余談中の余談ですが、クリタさんとは似通った年齢かなと思っているのですが、「リスペクト」と言う言葉を普通に使われているのに、ちょっと衝撃を受けました。
私は物覚えが悪いのか、自分の中でしっくりこないのか、「リスペクト」と言う言葉を見聞きする度に、それをネットで検索して意味を確認してしまいます。今回も「選手をリスペクト…ん? ああ、選手を尊敬しろと言うことか」と確認をしてしまいました。そしてついついこころの中で「だったら、選手を尊敬しようよと書けばすぐにわかるのに、なんでいちいちカタカナ語にするんだよ」と毒づいてしまいます。いや、それは本人の表現方法ですから批判するつもりは毛頭ありませんよ。「リスペクト」等のカタカナ言葉は若い人には一般的でも、私の年代では一般的じゃないよねと思っていたのに、その牙城が崩れた瞬間だったと言うことです。
今回の雑文を書いていて、「やっぱり私は頭が固いんだな」と痛感せずにはいられませんでした。要改善ですかね。
早いもので、母親の七回忌だそうです。
そんなに前でしたっけねぇ…三回忌の時に、雪で滑ってMPVを大破させたんだよねぇ。それが4年前? いやはやすごい速度で世の中が廻っていると感じます。
電話で確認したら、雪の少ない実家の辺りでも数日で1m近い積雪があったとか。久しぶりに大雪を堪能してくるつもり…無事辿りつければの話ですけれどね。
兎に角、安全運転で行ってきます。
出かける前の準備もすんで、WiiFitもやって、後は出かけるだけなんですが、どうしても喉に引っかかるものがあるのです。
4年前のオリンピックでカーリングが注目を浴び、カーリングの講習会(?)が半年先まで予約一杯なんてニュースがありましたね。
で、その半年先に予約された方は、本当にその予約をキャンセルせずに受講したのでしょうか。
オリンピックのお祭り騒ぎに煽られ、勢いで予約して、熱が冷めたらさよなら…カーリングはそれ以外にも選手の引退などがあって一気に熱を冷ました人が多かったような気がします。
今、CS放送のFOXでは毎週土日にアメリカンアイドルと言う番組を放送しています。いまさら説明をする必要もない番組かと思いますが、アメリカでの素人歌手発掘番組ですわね。
で、これが日本なら「美男美女」が絶対条件で、歌唱力は「二の次」なんです。まずは客に注目してもらわなければならないから第一条件が顔のよさで、歌がうますぎると敬遠されるという異常な現象が「アイドル」にはあったようです。今は日本でも「アイドル」と言う言葉は廃れてきているので、歌唱力の条件は廃れているかもしれませんが、それでも美男美女でなければ歌唱力さえも軽視される文化はなくなっていないように思います。美男美女でない人は、なにか大ブレークする歌をつくって初めて存在を許される…なかなか面白い世界ですね。
しかし、アメリカンアイドルでは、容姿はどうでもいい。まずは歌唱力…あったりまえの話ですわね。この辺りが日本とアメリカなどの層の厚さの違いなんじゃないかと思うのです。
だってさ、料理人も理髪屋も何でもかんでも、「イケメン」を何とかつけようとするって異常じゃないですか。職人なら職人の技が注目されたらそれで良いんじゃないのかな。まぁ、接客業ならイケメンで癒されるということもありますし、職人の技だけじゃなく、接客技術も含まれますからまだ理解はできるんですけれどね。
カーリングにしろサッカーにしろ、まぁミーハーなファンが美男美女に群がるのは仕方ないにしても、もっとスポーツそのものを根付かせる土壌が必要なんじゃないでしょうかねぇ。
どうやったらカーリングを日本に根付かせることができるか…一概に言えない難しい問題ではありますが、少なくとも選手の美醜に頼っているようじゃダメだよなぁ…
って事で、そろそろ行って来ます。
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