The Green Hills of Earth
朝青龍さんが、「自ら」引退を決めたそうです。
諫早湾干拓事業をめぐって、長崎県雲仙市の瑞穂漁協は、開門調査の実施に向けて国や県に要請行動をとることを決めたそうです。 瑞穂漁協は、今まで開門に反対してきた3漁協の内の1つであり、開門に絶対反対の立場をとる長崎県にも影響を与えそう人のことです。 で、私には、どうにも良くわからないのが、諫早湾を干拓して、誰にどんなメリットがあると言うのでしょうか。私に考えられるメリットと言うのは、役人が地元に土木工事の仕事を持ってきた事。それによりお金も入ってくること。ただし、土木の仕事は未来永劫続くものではなく、お金が入ってくると言っても、それは基本的に役人や議員の袖の下になるようなお金と、それ以外に鼻をくすぐるための見せ金みたいなものですね。逆にデメリットと言うのは、まずは諫早湾が死ぬ事ですね。今まで培ってきたその膿での営みが失われ、観光資源も失われるのです。そしてその失われた物は、失わなければ未来永劫利用出来ていたものであり、失ってしまったあとに気付いてもとに戻そうとしても、大抵はもとには戻せなくなる非可逆性の物なのです。 そして、この手の事業が行われるとき、何よりも大切にされるのが、「如何に国民、県民のためになるか」ではなく、「如何に自慢出来そうな看板を掲げられるか」「如何に自分の懐に金を納めるか」「如何に自分の体面を保つか」なのです。 ですから、何十年も前に立案された事業計画で、すでにその必要性がなくなったものであっても、それが「誰かに反対された『ごとき』で」やめるわけには行きませんし、はたまた、最初から全く利用価値など思いつかないようなものであっても、自分の懐にカネや名声が入ってくるものなら、目的をこじつけてでも事業を作ってしまい、自然破壊などはお構いなしに、更に御用学者を雇入れ、全く根拠ない嘘八百を並べ立てた「建設後の自然環境は全く心配ない」と言う嘘資料を並べて騙して、最後には「これは国のため、人の為」と大義名分を振りかざして、自分の懐に金を入れる事業に邁進していたのです。 その証拠に、ダム年鑑と言う本をみれば、如何に日本にはダムの建設予定が多く、また、その多くが如何に無目的に作られているかが分かります。また、もっとよく調べると、適当に作ったダムが、すぐにダム湖に砂がたまりダメになり、その上流に新しいダムをつくると言う愚行を繰り返している物も見つけることができます。 和田慎二さんの「超少女明日香」と言う漫画の中で、自然を破壊して金儲けを目論む悪役が、「もし災害が起これば、それでまた設けることができる」と言うシーンが有りますが、正にお役人や土建屋議員が目論んでいるのはそういうことです。 さて、諫早湾干拓はダム工事ではありませんが、果たしてどんなメリットがあると言うのでしょうか。その工事またはその工事の結果にではなく、それに伴って国から助成金と言う形でかネが入ってくると言う事があるとしたら、メリットはそれだけではないでしょうか。 漁協と言うのは、たしかに自分たちの生活を守らねばなりませんが、全国各地のダム建設における漁協の対応を見る限り、漁協には自分たちの生活を目先のカネで奪われる「ちょーイナカモノ集団」にしか見えません。まぁ、どんなに抗ったところで、先に書きましたように、最後は「お国のため」と強制的にやられてしまうのですから、どこかで手を打たなければならなくて、それが「ちょーイナカモノ」の態度に見えると言うことも十分考えられますけれどね。 兎にも角にも、ダムや干拓事業などでは、お国の事業でまともな物は殆どないと言って過言ではないでしょう。諫早湾も、早くに開門調査を実施して、少しでも昔の状態に戻す努力を早く始めた方がいいと思いますが、如何なものでしょうね。 また、熊本県では球磨川流域の荒瀬ダムを撤去する方向に向かったようです。ただ、残念ながら、政権交代で期待していた「撤去のための費用補助」を国からもらうことができず、すぐに撤去作業実施ではなく、2年間は発電を継続して、その後撤去作業と言う方針だそうですが、2年後には知事選があるため、2年後に必ず撤去を行うかどうか不透明と言う不安も出ています。 こちらも無駄な物は早く撤去して球磨川流域の自然を取り戻す整備をきちんとやって欲しいものです。
トヨタの新型プリウスは、8ヶ月連続で販売台数のトップになりました。しかし、その裏では、ブレーキに対する苦情が日米で190件近く発生しており、更には、日本では「不具合はない」と発表しつつも、苦情を申し立てた客のプリウスに対しては、修理対応をしていたと言うことのようです。 トヨタの会見では「実際のブレーキの掛かり具合と、客の感覚にズレがあると認識している」との事で、これは不具合ではないと言うスタンスです。ただ、もし事が大事になっていけば、リコールも対象として考えていると言うようです。 このプリウスには回生ブレーキシステム(原則エネルギーを電気として溜め込む)と通常ブレーキシステムがあり、そのブレーキの切替時に空走区間があるのではないかと言う憶測が別の番組でなされていました。 私にとって理屈はどうでもいいのです。普通の車で考えてみましょう。「ある普通の乗用車に乗りました。運転をしていて、前の信号が赤になっているので、ブレーキを踏んだのですが、車は減速せず、そのまましばらく走ってから減速を始めました。自分が思ったところよりかなり遅く減速が始まったので、感覚が合わず前の車にぶつかってしまいました。」…こんな状況が日常的に発生する自動車は「それは感覚のズレの問題」で済むでしょうか。 確かに昔の自動車には、バイクのようにブレーキをワイヤーで操作している自動車もありますし、油圧装置の問題で、ブレーキの踏み代が微妙に各社で違って居ることもあります。それをも「感覚のズレ」と言うなら確かにそうかも知れませんが、多くの人はプリウス以外の「感覚のズレ」はきちんと対応しているからこそ今まで問題にはなっていなかったのです。そして、今回それが問題になったとしたら、それは「感覚の違い」で済む問題ではなく立派な「不具合」だと私は思います。 トヨタは(穿った考え方をすれば、かもしれませんが)、数年前からの今の経営悪化については予想が出来ていて、更にアメリカでのリコールの発覚はF1からの乱暴(一方的)な撤退すら余儀なくされる位、大きな問題になっていたのでしょう。更にこれからのトヨタのイメージを背負って立つ意味でのフラグシップであるプリウスですから、それに欠陥があったと言うマイナスイメージも避けたいし、これ以上の余計な出費は抑えたいのでしょうけれど、これは下手に逃げ回っているなら、何年か前の三菱自動車のリコール隠しと同じく、甚だしく信用を失墜させることになります。 元々、私はトヨタの車は嫌いです。ここで大きくイメージを崩して倒産寸前位になってくれた方が嬉しいかなと言う気持ちはあります。しかし、トヨタのイメージが失墜することは、日本車のイメージにも少なからず悪影響を及ぼす訳ですから、どうか(資本だけは)日本を代表する大企業である事を念頭に、他社の邪魔だけはして欲しくはないと強く願う次第です。 カネカネカネと言う亡者は哀れなものです… リンク、引用はご自由に。画像は勝手に持ち出さないことを祈ります。 COPYRIGHT(C) Lunatic 2002-2010 |