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2009年11月24日(火) ケンカ腰無用に願います

「氷見の寒ブリ」はブランドと認知され高値が付きますが、佐渡の寒ブリはそれに比べて安値で取引されることから、新潟県は寒ブリの脂肪量を測る技術を実用化して、佐渡沖の寒ブリをブランド化して売り込もうとしてるそうです。

商売ですから、どこかにライバルなり競争相手がいることは大切なのかもしれません。でも、これはわざわざけんか腰になる必要がある事柄なんでしょうか。

確かに新潟の佐渡沖でとれる寒ブリ、漁場は有名な富山県の氷見とそれほど遠くはないのですが有名ではありません。

少なくとも下越地方(新潟の右側1/3)は村上を中心とした鮭文化が発達しています。寒ブリも食べますが、あくまでも冬の主役は新巻鮭など鮭が中心です。翻って氷見では冬と言えば寒ブリで、生活の一部として受け入れられているもの。そんな生活の中への溶け込み方から、氷見は寒ブリを大切に扱い、更にそれを主力商品としてきたけれど、新潟はそうではなかったと言う違いだと思われます。

そして今、氷見の寒ブリだけがブランドとして崇め奉られるのはおかしいと言うのは如何なものでしょうね。別にけんかをすることでもなく、「氷見の寒ブリというブランドがあるけれど、それに追いつけ追い越せと自分たちも頑張ります」と言うコメントで十分なんじゃないでしょうか。

これは新潟県水産課の言ったままなのか、記者の書き方なのかは判断できませんが、ドラマじゃないんだから起承転結としての貶め(おとしめ)はいらないよと思うこの頃です。

狙うは「氷見」の座、新潟の寒ブリ ブランド売り込み 2009年11月24日3時4分

 これから旬を迎える寒ブリ。有名なのは、全国ブランドにもなっている富山県氷見(ひみ)市の氷見ブリだ。その氷見ブリに追いつこうと、隣の新潟県が、寒ブリの脂肪量を瞬時に測定する技術の実用化に全国で初めて乗り出した。佐渡沖でとれた寒ブリの脂肪量を測り、脂の多い寒ブリを選別、トップブランドとして東京の料亭などに売り込む狙いだ。

 「同じ」ブリにもかかわらず、新潟のブリは、氷見ブリの6〜7割の値段で売られてきた。東京卸売市場では、富山のブリが1キロ当たり約2800円の値がつくのに、佐渡沖のブリは約2100円(08年11月〜09年2月)。新潟県水産課の担当者は「なぜ同じ脂の乗ったブリなのに、氷見で水揚げされると、高く売れるのか」と不満げだ。

 ブリは、11月ごろに北海道から佐渡島沖を通って南下。産卵や越冬のために夏から秋にかけてエサを大量に食べ、脂質分が多く、おいしくなるといわれる。

 そこで県水産海洋研究所は、計測器で、脂が乗った高級ブリを選別し、佐渡ブリをブランド化する事業に乗り出した。果実の糖度を測る機械を活用し、しりびれ付近の脂肪を調べた。データを2年間集め、分析方法を確立。物質を透過しやすい性質がある「近赤外線」を利用し、わずか1.5秒で数値が表示できるようになった。

 新潟県佐渡市の市場に昨年、1台を配備。県内の料亭や東京の百貨店などからの注文があり次第、測定する。平均的なブリの脂質分は5%(6〜7月)程度だが、15%以上の大ブリ(7キロ以上)を選び、「佐渡一番寒ブリ」として出荷している。「一番」は「氷見よりも先に水揚げされる」(研究所)という意味だ。初導入の昨年は、63匹が売れたが、1キロ当たり最高3080円の値がつくなど効果は抜群だった。

 氷見市水産漁港課は「氷見ブリのブランド化ということはしていない。魚を傷めにくい越中式定置網漁法を古くから使い、魚をすぐに氷水につけるなどの努力が影響しているのではないか」と知名度の高さを分析。さらに「富山はブリの文化。結婚した年の暮れには、嫁の実家から嫁ぎ先にブリ丸ごと1匹をお歳暮で持って行く習慣がある」。

 一方の新潟はのっぺやサケの塩引きなど「サケの文化」だ。県水産課は「富山ほどブリは食べないが、負けてはいられない。ブランド化して佐渡の漁師の所得確保にも努めたい」。佐渡市の加茂水産定置網組合の坂野久一組合長は「漁師が流通にかかわることはなかったが、氷見ブリと同じブリなので、佐渡の名前が売れるように頑張っていきたい」と意気込んでいる。(奈良部健)


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