The Green Hills of Earth
早朝自宅を出て仙台に向かうはずでしたが、気が小さくて心配性の私は、朝渋滞することや、途中で事故があったりして遅れることを心配して、結局昨夜、0時を過ぎるころ自宅を出発してしまいました。
2日前に、最近のTBSは本当に面白くないということを書いたのですが、スポーツニュースでサッカー日本代表の岡田監督ともトラブルを起こしていたのですね(link)。 要約すると、10月3日放送の「S1スパサカ」という番組で、サポータ100人から得た「岡田監督に聞きたくても聞けなかったこと」を岡田監督にぶつけたのですが、その内容が「ワールドカップベスト4と公言する裏づけは」とか「カズやゴンをベンチ入りさせるべき」さらに、それは厳しいと答えたら11年前のワールドカップでカズを代表からはずしたことを聞かれ、岡田監督が怒りを露にした件を一部始終放送したことでこじれたということらしいです。 インタビュアーが当時の日本代表だった小倉なんちゃらという人だったため、調子に乗ったんじゃないかという見方もありますが、確かにひどい内容ですね。無責任なサポータがいうことを代表監督に垂れ流して、それが「番組です」という無責任、無能さ、これが今の日本のマスコミを示しているように思います。 もう何年も昔ですが、旧居の集合住宅では駐車場の割り当てについて、入居当初の仮抽選で有利なくじを引き当てた人がたまたま第一期の理事会を構成したため、その仮抽選が本決まりになるという後味の悪いものになりました。抽選に外れた人の不便さと、不公平を訴えてきましたが埒が明かず、4年目に私に理事の順番が回ってきたとき、例によって例のごとく誰も理事長はやりたくないとごねる中で、「駐車場問題を取り上げ、みんなが協力してくれるなら私がやってもいい」と言いました。私以外の意見は「無理だよ。できるはずが無い。でもやるなら勝手にやったら」という感じでした。確かに便利な場所を借りるあてもありませんし、事前に行った意識調査でも有利な駐車場を確保している人たちのほとんどは譲り合う気持ちは持ち合わせていません。ここで、私も同じことを言いました。「やってみなければわからない」と。 就任してすぐ、最初の抽選が仮であり、新規分譲マンションへの一斉入居をスムースにするための方策だったこと(そしてその資料)、今がどんな不公平を招いているかということなどを資料にして、新しい場所への模索を始めました。結果、たまたまですが、マンションの前にあるけれど、ほかの所からも申し込まれて、断られているという空き地を駐車場として借りることができました。 当然ながら多くの人が「まさか」「本当?」「すごいね」という言葉を発しました。最初は99%の人が「あったら便利だけど、絶対に不可能」と断言していたのです。ええ、100世帯の内、やるといったのは私だけだったので、まさに99%が「無理」でした。でも、結果は成功だったのです。みんながだめと言っているからとあきらめていたら、絶対に進展なんかありませんでした。今までの駐車場では不便だし、仮抽選の結果を手放さない人たちがうらやむ場所に駐車場を確保して、「抽選の結果なんだから、あなたたちはそちらで我慢すべきだ」と言ってやりたいというネガティブな感情の発露は最高の結果を持って幕を閉じたのです。その仕事の後、マンションの中では見知らぬ方からも挨拶を受けるようになりましたし、それに加えて強引に導入した防犯カメラの設置もあわせ、マンションの資産価値がそれなりに上がったという評価もいただきました。結果で言えば「成功」ですが、最初にこのアホインタビューのように「成功すると思う裏づけは?」などと聞かれ、それがなければ実行してはだめとか言われていたとしたら、この時の成功はありえなかったのです。成功するか失敗するかの違いはそんなところにあると思います。そう、精神論的な言い方をすれば「やる気の問題」と言う訳です。 日本の野球では「一億総監督」と言う言葉をよく耳にしました。いわゆる日本のプロ野球とメジャーリーグの違いは何かと言う話にまで発展させる人もいますが、簡単に言ってしまえば、アメリカの人はアメリカのプロ野球にプロらしい見ごたえのある野球を期待して、それを楽しんでいます。しかし日本の人はプロ野球に見ごたえのある野球を期待しているのではなく、自分が監督になったつもりで批評しながら野球中継を楽しんでいると言うことです。 私自身はかなり前ですが、コバという監督が広島を率いて、引き分け狙いのせこい試合をして勝率を稼ぎ優勝したその年に、そのせこさにあきれてプロ野球を見なくなりました。それ以外にも、今中日の監督をしているオチアイが「プロなら内野ゴロで全力疾走するな」と言う勘違い発言をしたり、全般的に肩の弱いロートル選手はレフトでも守らせておけばいいと言う状況があったり、兎に角全力で試合をしない日本の野球に面白みを発見することはありませんでした。 私は早々に見切りをつけてしまったのですが、世間はつい最近まで野球に熱中し、野球中継さえしていれば視聴率が取れた時代は続いていたのです。それはそうやって、自分が監督になったつもりでテレビの前でごちゃごちゃ言うのが楽しかったからだと言うのです。 サッカーも、地元密着といってサポータと言う変な言葉でファンを持ち上げ、ファンの方も自分が12番目の選手だなどと阿呆な勘違いをして、結構頻繁に負け試合の後にグランドに残ってチームとトラブルを起こすアホウ達がいます。 こういうアホウのわがままを普通だと思ったら、果たしてチーム運営はスムースに進むでしょうか。絶対にそんなことはないでしょうね。 11年前、カズが代表落ちをしたとき、日本の多くの人たちが「うそ!」と驚きました。カズが所属する読売に至っては「信じられない暴挙だ」というような暴言まで飛び出しました。しかし、それはカズが戦力外だと冷静に判断をした結果でしょ(と当時の私も書いています)。 結果論として、若手だけになった代表チームで、「ここぞと言うときみんなを支える柱となる選手がいたほうがよかった場面もあったかもね」と言えるところもありましたが、ただでさえ弱い日本が勝ち進むためには1人の枠はあまりにも大きいんです。大企業なら窓際族を何人も抱えられるでしょうけれど、日本のような零細企業は、窓際族が1人いるだけで経営が圧迫されてつぶれてしまう可能性が大きい訳ですよ。 そういう状況を理解せず、単なる感傷などでカズだのゴンだのいうアホウのいうことをいちいち聞くというのは、戦場で後ろから鉄砲で…いや、機関銃で撃たれるに等しい暴挙だと思います。 確かに番組としては、視聴者の疑問に答えると言う側面もあるでしょう。しかし、あまりにもくだらない、答える価値もないことは、それを踏まえて相手に伝える義務もあるでしょう。「視聴者のいったことだから」と無責任にぶつけるのはマスコミとしての機能が正しく働いていないのだと思わざるを得ません。 先日書いた、中年のおっさんでさえ寒くなる駄洒落を無理やり入れるニュース番組といい、やはりTBSはその存在価値すら危うくなりつつあると思わざるを得ない状況にあるようです。 リンク、引用はご自由に。画像は勝手に持ち出さないことを祈ります。 COPYRIGHT(C) Lunatic 2002-2010 |