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2009年10月11日(日) 言い換えると… / シューパロ湖

読売オンラインにでていた記事

八ッ場ダム中止撤回求める、と現地で谷垣総裁

 自民党の谷垣総裁は2日、八ッ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)の建設予定地を訪れ、地元住民と意見交換した。

 谷垣総裁は、「皆様が心配されている原因は、私たちが政権交代を許してしまったこと」としたうえ、「ある特定の事業を血祭りに上げてやるのはいかがなものか」と民主党政権を批判、建設の中止撤回を求めていく考えを示した。

 地元からは、大沢正明知事や高山欣也長野原町長、八ッ場ダム推進吾妻住民協議会の萩原昭朗会長ら約30人が参加した。
(2009年10月2日11時28分 読売新聞)

要は「私たちが今まで通り政権についていられたならば、国策と称して事業を好き勝手に興して、議員や役人、そこに群がる土建業者などは税金を貪り放題だったのに、負けてしまった結果、税金搾取ができなくなってしまった。もう一度甘い汁が吸いたかったら、自民党が政権を取るしかないんだぞ」と言っている訳ですね。

私にはそう言っているようにしか見えないのですが、他の解釈方法はあるのでしょうか…


シューパロ湖

同じく読売オンラインで見た記事

48ダム一時凍結、次段階工事に進まず…国交相
 前原国土交通相は9日、国や水資源機構が実施している56のダム事業のうち、ダム本体が完成し、改修などを進める8事業を除いた48事業について、今年度は新たな工事手続きには入らず、事業を一時凍結する方針を明らかにした。

 ダム工事は〈1〉用地買収〈2〉生活再建工事〈3〉転流工工事〈4〉本体工事――の各段階を経て完了するが、48事業は今年度内に新たな段階に進まない。道府県が実施している87のダム事業については、各知事の判断を尊重するという。

 現在、全国で進めているダム事業は、前原国交相が建設中止を既に明言している八ッ場(やんば)ダム(群馬県)と川辺川ダム(熊本県)のほか、計141か所あり、前原国交相は工事の必要性について、自らと副大臣、政務官で見直していくと表明していた。

 国交省によると、48事業のうち、北海道の「留萌ダム」と、和歌山県の「紀の川大堰」は新たな手続きに入らずとも、今年度中に工事が完了する。このほか、岩手県の「胆沢ダム」や奈良県の「大滝ダム」など16事業が最終段階の「本体工事」に入っているが、来年度以降、最終的に完成させるかは今後、検討を進める。

 一方、自治体が主体となって事業を行い、国が補助金を出す87のダム事業について、前原国交相は「知事の判断を尊重する」と述べ、国のほうから凍結は求めない方針を示した。しかし、補助金の拠出については「我々で判断できるが、知事とも相談する」と語り、補助金停止にも含みをもたせた。

 ◆凍結するダム事業◆

 【建設段階】〈北海道開発局〉幾春別川総合開発、夕張シューパロ、沙流川総合開発、サンル、留萌〈東北地整〉津軽、胆沢、森吉山、成瀬、長井〈関東地整〉湯西川、霞ヶ浦導水、八ッ場〈北陸地整〉利賀〈中部地整〉新丸山、設楽〈近畿地整〉足羽川、大戸川、大滝、紀の川大堰〈中国地整〉殿、尾原、志津見〈四国地整〉中筋川総合開発、山鳥坂〈九州地整〉大分川、嘉瀬川、川辺川、立野、本明川〈沖縄総合事務局〉沖縄東部河川総合開発、沖縄北西部河川総合開発〈水資源機構〉思川開発、川上、丹生、小石原川、大山、木曽川水系連絡導水路、滝沢

 【実施計画調査段階】〈東北地整〉鳴瀬川総合開発、鳥海〈関東地整〉荒川上流ダム再開発、吾妻川上流総合開発、利根川上流ダム群再編〈中部地整〉上矢作〈九州地整〉筑後川水系ダム群連携、城原川、七滝
(2009年10月9日12時59分 読売新聞)

ダム建設に関与していたのはもう20年以上も前の話になるのですが、そんな私でも知っている名前がいくつもあります。国策としてのダム建設事業は確かに時間が掛かる事業だなと実感はします。

で、無責任ですが例えば「木曽川水系連絡導水路」とか「沙流川総合開発」とか「荒川上流ダム再開発」なんて言う名目の事業は、基本的には税金の無駄遣いのための事業ですね。出稼ぎに行くのが大変だから、ダムのような作り始めたら何年も地元に仕事ができる事業を作って地元の仕事、雇用を確保するって言うのが目的。それは議員が票を集めるために「俺は仕事を持ってきたぞ」と言うための事業である場合が殆どです。本来それは「○×ダム建設」という名前を持ってくるのですが、それすら妥当ではない(他にもダムが一杯ある、ダムを造る地形ではない、ダムを造る名目が確保できない)場合に、無理矢理事業をこじつけるのがこれらの名称でしょう。

例えば、木曽川水系〜って言うのは、伊勢湾に流れ込む木曽川や味噌川など、昭和30年代まで台風が来ると氾濫を起こしていた河川の水位調整を目的として、水量が増加したら他の河川に水を誘導する水路を造ろうというもので、私には無駄という以外何の価値も認められません。そんな金があるなら林業に力を入れて保水力を増す努力をしたらどうでしょうね…そんな意見が正しいかどうかは兎も角、多分この事業はそんな事はどうでも良いんです。もっともらしい名目が見つかったらこれ幸いと事業計画を作って、後は利益を貪るのが仕事となるというのが実態ではないでしょうかね。

私は無責任に、20数年前にダム建設に関わっていた頃から思っていた事、そしてそういう事業に加担する事が嫌でその業界をやめた者としてダムの必要性をかなり疑問視してみている訳ですけれど、確かに中には必要な事業もあります。「〜総合開発」という名称でも、今まで作ってきたダムが全て砂に埋もれ(無責任な事業計画で作られたダムは、早々にダム湖に砂が流れ込み堆積して実用に耐えられなくなります)、改めてダムを造り直す必要がある場所もあります。例えば山形県寒河江にある某河川ではダムが3つも4つも造られ、その度に砂に埋もれ作り直すと言う愚行が重ねられていますが、事業者にとってはそれで建設が決まり金が懐に入ってくるのですから、愚行様々ですわね。作った者に対して誰も責任を負わない形態なので、建設業者も事業立案者もやり放題なのが実情という訳です。

そういう実態の中で、これだけのダムに対して(たったこれだけかとも言えますが)一時凍結を打ち出した事は、私個人としては賞賛に値する事だと思います。スタンディングオベーション!

狭い日本の中で環境を破壊してまで雇用を創世する必要があるのでしょうか。地元の人は「当然必要だ」と言うでしょう。しかし、国というレベルで国を作る事を考えた時、国の環境を壊しながら国を作ると言うのは間違えているように思えてなりません。

10年前まで夏休みは毎年北海道に行っていました。新潟からフェリーに乗って小樽へ行き、そこから同等を目指しつつ旅行をするのですが、その中でも小樽から札幌を経由して北広島や恵庭の辺りから274号線に出て、新夕張からシューパロ湖の湖岸を経由して芦別から美瑛に抜ける道はかなり人通りも少なく、特に美瑛の付近では、観光ガイドにも載っていない風景のきれいなポイントがあってお気に入りの道(ただし未舗装なので車は埃だらけになりますが)でした。ところがそのシューパロ湖が(ダムによる人造湖なのに)、さらにダム湖に沈むと聞いて、それと同時に自分のお気に入りだった(寂れた)町並み、道路が無くなってしまう事が残念でたまりませんでした。そう、ある年のカーナビでは、そのシューパロ湖脇の道路は(来年からダム建設のため閉鎖されるとなっていたためか)表示されず、寂しい思いをしていた者でした。

たまたま前の集合住宅を買ってからは、夏休みを取る暇もなく、北海道に行くとしても飛行機とレンタカーという具合で、なかなか時分の車を使ってお気に入りの場所をのんびり旅すると言う事はできなくなってしまいました。そんな訳で「もうシューパロ湖のあの道は通れないんだろうな」とか思っていたのですが、先の記事の中に「夕張シューパロ」という表記もありますね。もしかしたら、このまま計画は頓挫するのかも知れません。

新しいダムを造るといって、それは何のために造るのか疑問だっただけに、ここは一時凍結が決まって個人的に嬉しかった1つでした。


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