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2008年09月18日(木) ミシュランと京都

レストランの格付け本を発行するミシュランの調査が京都でも行われたようですが、格式のある店は協力拒否または態度保留というところが多いそうです。

柔道という武道が、スポーツのカテゴリになって私はとてもつまらなくなったとオリンピックの度に嘆いています。武道であった頃は、勝つか負けるかしかなかったのですが、スポーツになってからはやれ、体重別だの有効だ効果だ得点制だと、愚行に次ぐ愚行です。
これは、武道としての精神の統一、間の取り合いという考え方が西洋人には理解できないため、その単純な思考回路で分かりやすい、得点制にしなければならなかったのでしょうね。

ミシュランとは全く関係のない話に見えるかもしれませんが、私には同じ土壌の話に見えます。
(有)名店が協力を拒否している理由のひとつとして、「料理だけで評価されたくない」「もてなしの心、文化を評価者のフランス人が理解できるとは思えない」ということが挙げられていました。

もっともな話ですね。私たち日本人が欧米に旅行にいく機会も多いですが、では例えば映画「ナショナルトレジャー」にでてきたアメリカでは誰でもが知っているような歴史的建造物を日本人は理解できたでしょうか。欧州の民族大移動による様々な攻防などの歴史は理解しているでしょうか。多分多くの人はほとんど理解もしないまま観光をしているでしょ。その人にその国の伝統的文化と料理を正しく評価しろといっても無理な話なのと一緒。いくら味に鋭いおっちゃんでも、西洋人が東洋の文化を理解するのは簡単じゃありません。

ミシュランなんだから文化は関係ない。味のみの公平な勝負なんだという意見もあるでしょうけれど、いつぞやのグルメブームという身の丈もわきまえず背伸びをすることが格好良いなどという阿呆でおろかな流行があったとき、料理は目と舌で楽しむものだという言葉を目にした人も多いはず。であるなら、料亭が料理だけではなくおもてなしからが料理だとすることも一理ある訳で、私も西洋の大雑把な文化に日本の繊細な文化がおもねる必要は全くないと思います。

国際化という言葉でまとめようとする人もいるようですが、そうやって文化を捨てるなら、何も料亭なんか要らないんですよ。マクドナルドで食べていれば良いんじゃないのと思うのは私だけですかね。


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