The Green Hills of Earth
サイパンで逃亡者として逮捕されたミウラさんが最近の報道の名を騙ったヤクザたちの稼ぎ口になっているようですね。
日本では無罪が確定したこの事件、事件の発生場所はアメリカですが、事件を起こしたとされるのは日本人で、被害者も日本人。これがもし被害者は日本人だけど容疑者がアメリカ人だったら、さらにそれが黒人だったら、または白人だったら、この捜査はどうなっているでしょう。沖縄で日本の女性を強姦したり、殺傷事件を起こしても、(今は多少違いますが)日本に司法権がなく引き渡されて現地で無罪になるのと比べなんと言う違いでしょう。
なぜ、日本はこんなに弱い立場でアメリカに隷属しなければならないのでしょうね。
そして、このような事件に対して、いわゆるマスコミと言う種族はどうあたるべきなのでしょう。テレビを見て凄く苦い思いをするのは(今に始まったことではありませんが)、マスコミは悪意を持って面白い方向に持っていこうとしている意図が見え見えなことです。
話は逸れますが、先日自分のすぐ横で繰り広げられる電話のやり取りがありました。 あるプロジェクトの決定権を持つ上司とその部下、そしてソフトウェア製作担当会社の社員…仮に名前をそれぞれ中居、草薙、香取とします。香取は草薙にある相談をするのですが、草薙は「それは自分の裁量では決められないので、決定権を持つ中居に言って」と言いました。すると香取は中居に電話をかけ「今草薙さんが横にいて相談したのですが…」と説明を始めたのです。草薙はこの電話が始まってすぐ、「こうして冤罪はできていくんだね」と笑っていましたし、もちろん、この電話のあと草薙は中居に「何でこんな重要なことを勝手に決めるんだ」といわれ、草薙は笑いながら「私はなんにも話していませんよ」と説明をしていました。 そう、草薙は「中居に相談して」と言っただけですね。確かに香取は嘘は言っていません。草薙に声をかけ相談したし、草薙は隣にいます。ただ、「どんな相談をしたのか」というその状況を表すキーワードとなる言葉をわざと言わなかっただけで、見事真実の断片を繋ぎ合わせて嘘を作っていったのです。
さて、テレビで見たことも同じです。現地警察に引き回されるミウラさんに向かって押し掛けたハイエナの一人が「ミウラさん今の気持ちは」とか「○△についてどう思われますか」等と一方的に話しかけ、それに答えがないとレポータは勝手な意見を付け加えていきます。本人は何も言っていないのに(言う気にもならないでしょう)、レポータが自分(や番組)の言いたいこと、視聴者に向かせたい方向へ導く言葉を、あたかもミウラさんが語っていたかのように話します。映像がついているので、それは「下手な」レポータの稚拙で無責任な言葉なんだと分かりもしますが、やはりこれはミスリードを誘発する言葉には間違いがないと思えます。(先の「草薙さんと相談したのですが」という言い方と同じだということです)
マスコミはどうあるべきかなんて話は今までにも散々書いて来ました。真実を報道するのがマスコミですが、真実とは一素人レポータの思い付くままの無責任な言葉を指すのでしょうか。その番組として、または局として、業界全体としてこのニュースはどう扱うのかが決まっておらず、ただ視聴率を稼げるよう行き当たりばったり的だからこうなってしまうのではないでしょうか。ミウラさん逮捕が正しいと思うなら、はたまた不当と思うならそれなりの切り口が見えるはず。そういうものがないからゴシップ番組しか作れないのではないですかね。見て面白いと思う思うニュース作りをしてほしいと思うのですが、日本では無理なんですかねぇ…
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