The Green Hills of Earth
2006年07月27日(木) |
安全確保 / ブログの使い方… |
千葉市若葉区にある市動物公園で、植物を囲むように作られたベンチから1歳の男児が転倒して、枯れ枝が頭に刺さって死亡した事件がありました。この男児の両親は「自分たちに一番の責任がある」とした上で、「安全管理をしていなかった市にも責任がある事を認めて欲しい」と5000万円の損害賠償を求める裁判を起こした結果、千葉地方裁判所は「動物園には幼児への安全確保が求められているが、安全性を欠いていた」との見地から1200万円の賠償を命じました。
一見まともそうな話にも見えますが、果たしてこれは正しいのでしょうか。 この訴えた両親も「自分たちが一番悪いのは判っています『が…』」と言いながらの裁判ではありますが、これは「自分たちが一番悪い」で終わるべき話で、『が…』は不要だと私は思います。
まず、動物園側は、そこが幼児の集まる場所である訳ですから、常に安全を確保する努力はしなければならないということは間違いないでしょう。しかし、その施設を利用しておきたケガの全てが「管理不行き届き」になるかというと甚だ疑問です。 もしそれが、「ただ歩いていただけ、動物を見ていただけなのに怪我をした」と言うのなら問答無用で動物園側に責任があると言えます。しかし、基本的な安全は確保した状態であるなら、そこから先は、親が責任を持つべき範疇です。ベンチに背もたれがなかったのも、その奥につつじが植えられている事も、そこに座る時に既に判っていたことです。そして、幼児がどんな風に動くか、それも想像がついたはずです。それが危険だと思うなら、そこに座らないというそれだけの選択で、この事故は回避できたのです。
確かに背もたれのあるベンチだったら、危険は回避できていたかもしれません。しかし、楕円形で外に向かって座るように作られたベンチの背もたれを想像してみてください。どこに座っても背もたれが微妙に湾曲して座り心地が悪いったらありゃしないですよ。そんなベンチを作って誰が利用するでしょう。では、それを直線的なベンチを4つ使って四角に置き換えると、今度はデザインが不細工ですし、その角に頭をぶつける子供が出てきたりする訳ですよ。まぁ「デザインや多少のスペースの無駄遣いより人の安全確保が重要だろう」と思う人もいらっしゃると思います。では、どんな形であれ、背もたれをつけました。それで安全になるかといえば答えは「否」です。確かに背もたれ側は防護ができました。しかし、もう片方の側は未だ無防備な状態のままです。親が油断した隙に子供がベンチから転落して死亡する危険性は全く変わっていないのです。もし、本当にベンチから子供が転落したことへの責任を追及するのであれば、「背もたれがなかったのが不当」ではなく、「ベンチがあったことが不当」とするべきで、この事からもこの訴えが如何に独りよがりで、筋の通らないものなのかが判るのでしょう。 もっと極端なことを言えば「道を歩いていたら、子供が転んで、打ち所が悪くて死んじゃった」となったら「道路が硬いのがいけない」となってしまうのでしょうか。私は「冗談じゃない」と思います。そのようなことに対しては、親が責任を持って対処すべき話であって、施設に責任を問うべき話ではないと思います。
ここでも良く取り上げている話ですが、最近の小学校などでは、授業をまともに受けられない子供が急増しているという話を聞きます。本来家庭で行うべきしつけを放棄し、学校こそ子供をしつけてくれる施設であると勘違いして居る親が増えているということです。学校はサーカスではありません。しつけのされていない野獣のような子供を野放しにする場ではないのです。親には子供をしつける義務、そして子供を保護する義務があるのです。しかし、自分が責任を果たしていないことを棚に上げ、全く筋違いの仕事を学校に押し付けようとする姿は、本当に醜いものだと思えます。 「客は神様だから何をしても良いし、何の責任を負わなくても良いんだ」と勘違いをしている人は多いのではないでしょうか。本来なら「施設は基本的な安全を確保し、客が快適に過ごせるように努める。客はその上で尚、安全の確保に努める」と言うのが筋ではないでしょうか。だとすれば、今回の事故は、施設はこの事故を手本に、ベンチの内側に植える植物は硬い枝があるものより、花などにした方が良いという教訓を得ることができたし、客がもっと安全確保に努めるべきだった」と完結するだけの話ではないでしょうか。
既に複数のブログを使っては居るのですが、未だに「追記」と言う機能については、どう扱うべきか悩んでいます。
要は、書いた文章全体を二つに分割できるのです。 その該当の文章のページを開いた時には追記に書いた文章は表示されず、最下行に「○※△の続き」などと言うリンクが表示されます。それをクリックすることで追記に記入した文章が表示され読めるという仕組みです。 それを利用する利点としては、私のように長文を書くことが多い者にとっては、まずその記事のあらましを読んでもらって、興味があれば(長文覚悟で)残りの文章を見てね。と言う使い方ができる訳です。それにより、複数タイトルを表示するように設定したトップページに、長文がだらだらと表示されることがなくなり、過去の記事も見やすくなるという訳です。しかし、一見して全文の長さを把握できないのも、全文を読むために、わざわざ1クリック余計な作業が入るというのもどうかと思ってしまいます。
とりあえずは「使わない」方向で試していってみようと思っていますが、さてさて、どう使って行ったら良いものでしょうねぇ。
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