The Green Hills of Earth
例え個人としてはとても素晴らしい人と太鼓判を押される人だけを集めても、集団になると他の人の迷惑になることがあります。一人一人のひそひそ話が大きく響いたり、はぐれないために他の人を押しのけてしまったことに気付かなかったり、自分たちの楽しい思いを優先する余り他への気配りが疎かになったりするのですね。そして得てして集団というものは全て人格者だけが集まるなんて事はなく、どんな集団にも様々なレベルの人が混ざり合っているのが実情です。
今年の6月に施工された外来生物法で特定外来生物に指定されたブラックバスに対し、全国18団体が駆除に乗り出しました。 ブラックバスは外来種で本来日本には居なかった魚なのですが、その強い引きの醍醐味が快感と自分のことしか考えられない釣りを趣味とする(一部の)阿呆があちこちにブラックバスを放流した結果、雑食のブラックバスはその辺の生態系をめちゃくちゃに破壊し繁殖を続けています。 「自分が楽しむためなら何をやっても構わない」などと放流した犯人は考えなかったでしょう。多分「ちょっとくらい」というきもちだったのでしょう。イヤミたっぷりに「釣り師とは、魚と知恵比べをするような容積の脳しか持ち合わせていない人」だと私は表現をしますが、当然ながら釣りを趣味とする全ての人がそんなレベルなのではなく、ごく一部の阿呆のやった事が全ての印象を悪くしているのだと言う事は重々承知をしています。それでも、その自分の快楽を求める事しか考えなかった阿呆の軽率な行動が、法律を作らなければならなくなるほどのもの凄い環境破壊をしたのだという自覚があるのか私には疑問です。この阿呆達も根っからの極悪人なんて事はなく、他の面ではとても良い人だったりするのだと思います。しかし、釣り趣味という1つの塊(集団)の中で善悪の見境がつかなくなっていた(る)と言う事なのだと思います。自分1人では怖くてできない事も、「他の人もたくさんいるから」と言う理由で、いわれのない勇気が湧くって事です。子供が「『みんなが』もっているから僕にも買って」と言うのと同じ理屈でしょう。子供じみていますよね。 指定されたものはブラックバスだけではありませんし、釣り師だけがやり玉に挙がるものでもありません。駆除をする事も大切ですが、何よりも「自分の快楽のために他の人や環境がどうなろうと知った事か」と言う子供じみた発想を恥ずかしいと思う気持ち、そして、自分を常に第三者として見つめ、自分のやっている事は間違っていないのか確認する気持ちはもっていたいと思う次第です。
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