The Green Hills of Earth
2005年11月07日(月) |
サッカーとプロレス / ジャンボ尾崎の破綻 |
テレビで全国高校サッカー・茨城決勝「水戸短大付属 対 鹿嶋学園」をやっています。 もうそろそろ終わりの時間に近づいてきましたが、これって間違いなくJリーグの中途半端な試合よりおもしろいです。多分、いやほぼ確実にこのどちらかのチームとJリーグのチームが試合をしたらJリーグのチームの方が勝つのでしょうけれど、でも、Jリーグ中下位チームの「玉蹴り」と違って、この高校サッカーはきちんとサッカーをしていますよ。きちんと球をコントロールしています。
ワールドカップアメリカ大会の本戦前、キング・カズが代表漏れとなったことに対して、ヴェルディの社長とやらが「非情な選択。いや非礼な選択だ」と騒ぎ立てました。それに対して私は「昔はどうだったかではなく、今の時点で力がないのだから仕方ないだろう」と言うことを書きました(link)。 しかし、本戦が終わった後で選手の中からは「カズさんが居てくれたら精神的な支えになっただろう」という意見もあったようです。うん、確かに今選手としての実力がないとしても、多くの選手はカズを目標に、カズにあこがれてサッカー選手になろうとしてきた訳ですから、そのカズがたとえベンチにいるだけでも力がわいてくる場面もあった事でしょうね。でも、もう選手としての実力はピークを過ぎているでしょう…そう思っていたのですが、カズは選手にこだわり続け、その結果としてオーストラリアのシドニーFCからオファーがありレンタル移籍をすることになりました。このニュースは驚きではありますが、まぁ目出度いことでもありますね。一部の穿った見方をする人たちからは「客寄せパンダとしていく」という言われ方もしているようですが、それでも「誰でも良い」というわけではありませんからね。
今の高校生の目標として「カズ」をあげる人はいるのか分かりません。ただ、間違いなく日本のサッカーが玉蹴りからサッカーに変りつつある歴史の中でみんなのあこがれであり、目標だった時代はあったのです。どんな理由であれ、再び海外で活躍の場を与えられたカズを応援したいと思います。
…なんて書いているうちにプロレスの番組が始まってしまいました。 K-1だのM-1だの…え?M-1は違うんですか? 兎に角、そういう類の「真剣勝負」を売り物にした格闘技が行われている中でプロレスも人気を維持しているのでしょうか? 友人の中にはプロレスのファンというのも居て、彼に言わせると「プロレスは予定調和の世界で、水戸黄門のように決まったストーリー、決まったレールの上をいかに演出をしながら進むか楽しむものだ」と言うことらしいです。そして「それを楽しめない奴はプロレスを見る資格はない」のだそうで、私としては「そっか、私にはその資格はないな。資格を欲しいとも思わないが」と言うのが精一杯でした。子供の頃、私の田舎では民法すら2局しか映らず、楽しみと言えば巨人戦とプロレスしかないという感じでした。その中でへそ曲がりの私は巨人もプロレスも嫌いを貫いてきたのです。いや、当時巨人はまだ好きだったかなぁ。巨人が嫌いになったのは長島が監督になった頃からだと思いますから。でも、プロレスは両親が一生懸命応援する横で「技を掛けられるのを待っているのは変だよ」「どうして今倒れた人が突然あんな元気になるの?」とそのわざとらしい演出に違和感を感じてのめり込めずにいたのです。それはそれ自体が「ショー」だからと言われてもたのしめるようにはなりませんでした。しかし、世の中は広く、このショーを「真剣勝負」と見る人も、楽しいと感じる人も数多くいたのを否定はしません。しかし、今でも人気があるのでしょうか?K-1で勝負が決まるのは一瞬です。一瞬の隙をついて関節をきめたらもう勝負はついています。プロレスの技がK-1で飛び出すこともありません。つまり真剣勝負と演出の差があからさまに出てきている訳ですよね。それでもK-1などに目移りせずプロレスのファンだという人はプロレスのどこに魅力を感じているのでしょう。やはり「ショー」としての演出と言うことでしょうか。アメリカのプロレスではかなり魅力的な演出がされ、はち切れんばかりのプロポーションの女性が登場したりして楽しそうですが、日本の50をすぎたおっさんたちのたるみきった体から繰り出されるチョップの応酬って見ていて楽しいのですか? いや、否定はしませんよ。それこそプロレスには歴史がありますから、今だけを見て知ったようなことを言うな!と怒られるかもしれません。誤解しないで欲しいのですが、私はプロレスを否定したいのではなく、私の目で見て「50過ぎのおっさんが、たるみきった体で、チョップの応酬をしあう」これだけでファンが騒ぐような試合になってしまうのですか?それはショートして楽しいのですか? それとも私が見るべき場所を間違えているのでしょうか? と言うことを聞いてみたいのです。残念ながらショーとして演出をされた格闘技自体を楽しむ能力は私には欠けているのですけれど、プロレスファンが今のプロレスのどこに魅力を感じるのかは興味のあることなので、分かることで良いですから教えていただければ幸いです。と言うことです。
プロゴルファーのジャンボ尾崎が東京地裁に民事再生手続きを申し立て、個人として経済的破綻をしていたそうです。
間違いなく日本のゴルフ界の一時代を築いた人でしたよね。プロって一試合で優勝すれば何千万円って優勝賞金が一気に入ってきて、尾崎プロくらいになれば毎年コンスタントに何試合か優勝をして何億、何千万というお金が入ってきていた訳です。破綻をするほどですから何かしら(株や土地)の投資などもあったと思いますが、そういう大きな負債に加え、門下生も多く、賞金王の通り名もあれば、既にそんなに稼ぎはなくとも見栄を張る部分もあったことでしょう。そんな見栄の部分が真綿のようにじわじわ首を絞めていったのかなぁ。レベルは違いますが同じような事が自分の周りでも起こっているだけに、何となくその気持ちは分かるぞという感じです。私の場合は「あんたが思っているほど私はもうけていないよ。貧乏で泣いています」と笑って言えますが、ジャンボ尾崎という名前の前で、彼はそういえなかったのではないでしょうか。ちりも積もれば山…この言葉は貧乏人には常に後ろから追いかけてくる怖い言葉なんですよねぇ。
既に賞金ランキングなどに顔を出すこともない隠居の身みたいなものでしょうから、果たしてこれからどんな身の振り方があるのか、まぁ大変申し訳ないですが、私はこれを書いた傍から(ゴルフに興味がないので)ジャンボ尾崎の事は忘れてしまうと思いますが、ゴルフに興味がなくても名前くらいは知っていると言う有名人だけに安らかな老後を送ることができるようにと祈っています。そう、もっと小物だったら、「おまえ今まで良い思いをしてきたんだろ。だったら、その報いと思ってこれから人生の地獄味わえや」とでも行ってやりたいところですが、多分、彼のような有名人だと本人が良い思いをするより、周りが吸った甘い汁の量の方が大きいんじゃないかなと思うんですよ。ですから、これからは小さな幸せを噛みしめてねと思ってしまうんですよね。ええ、私の偏見ですけれどね。
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