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2005年11月04日(金) ニュースから(被災地の消防士の食事と知床の指定動物対策)

震災救助の消防士、満足な食事できず
阪神大震災の時、救助にあたった消防士は、殆どが救援物資が届き始めるまでの4日間、まともな食事ができなかったと言う調査結果を神戸の甲南女子大の学生がまとめました。アンケートの結果によると、「食料はあったけど」「救助活動をするためにはきちんと食事をしなければならないと分かっているけど」…でも、被災して避難している人たちが傍にいる状況で、「被災者に遠慮があった」「被災者の傍で携行食を活用することは困難」という感じだったようです。

自分が当事者ではない第三者として意見を言うなら「プロなら食べるべきだ」と言うでしょうね。消防士が十分な救済活動をするためには、個人がきちんと動くためのエネルギー補給は不可欠です。ですからプロとしての自覚があるなら、たとえ被災者に「自分たちばかり」と野次られようと誇りを持って食べるべきです…でもね、当事者だったらそんな事は言えないでしょうね。横で苦しんでいる人がいるのに自分たちだけが食べられる事はないでしょうね。
一番理想的なのは、被災者の方もその事を理解し、自分たちより率先して消防士たちに食料を回すとか、少なくとも消防士が携行食糧を口にする事が「当然の事」だと理解する事なのですが、そんな風にみんなが簡単に意識改革をできるなら何の苦労もないでしょう。ですから、こういう時に国や県、市町村の役人が現地に赴いて消防士に食事をするよう命令を出すべきなのではないでしょうか。上からの命令として食事をするなんてちょっと悲しい話ではありますが、それでも十分な救済活動をするために誰かがその音頭をとらなければならないとしたら、それはそういうときこそ役人の役目と言うことになるのではないでしょうか。知事が全現場を回れと言っているのではありません。それは知事でなくとも、言葉悪く言えば、その場で消防士の代わりに憎まれる役を役人が代行すればそれで良い訳ですから、自分は知事の代理ですと名乗る資格のある人ならそれは誰でも良いんですよね。
兎にも角にも、みんなのために働いている人が、働くためには休みも必要だし食べることも必要なんだと言う事を理解しないとだめですよね。そういう状況を作ることが果たして災害シミュレーションの中に入っているのだろうかと心配になります。

シマフクロウの雛を守れ。知床半島で水際作戦
世界遺産に登録された知床半島のすぐ近くに、外来生物と指定されたアライグマが迫ってきているようです。

札幌などの都市部でペットとして飼われたアライグマが逃げたか(多分)飼うのが大変と捨てられたのが野生化し、どんどんその生息範囲を広げてついに知床半島の根本まで来たという訳です。
自然が残る世界に誇る遺産(というより財産なんじゃないかと思うんですけれどね)に外来種が入り込んで生態系を壊していく危険性があるとは嘆かわしいことですが、どうかきちんと対処をしてほしいと思います。また、こういう危険が起きたことを機に、もっと野生動物を野生で居させるための環境保護を推進することを考えた方が良いのではないでしょうか。こんな小さな島国で土地が十分なく乱開発をせざるを得ないと言う事情は理解もしますが、それでも、残すべき所は残すと言う覚悟で知床などを世界遺産に申請したのでしょうから、その覚悟のほどを見せてほしいものだと心の底から思います。

7年前に「動物との接し方と言う雑文を書きました。果たして「野生」の動物を見て餌をあげる人って、「野生」と「ペット」の違いを分かっているのでしょうか。かわいいからと言う外見だけでペットを買う人は、そのペットは生き物だから餌も食べるしうんこもする。自分がその生死を握ると言うことが分かっているのでしょうか。
また、昨年の9月25日と10月19日に書いた「国定公園で犬の放し飼いはなぜだめか」という雑文でもふれているのですけれど、犬を飼っていらっしゃる方の一部には、犬はかわいいから、犬は家族と同様だからと言うだけの理由で犬にも国定公園を開放するべきだと言う人も居られます。自分の子供ならおしっこでもうんちでも平気で処理できるし、子供がはき出したものも食べることは平気。親なら大半の人がそういう経験があるんじゃないでしょうか。でも、それを他の人に当てはめられますか。他の人にそのうんちは汚くないんだよと言えますか。相手がそう思うと本気で信じますか。そんな訳ないですよね。誰だって自分の身内はかわいいのです。目に入れたって痛くないって事です。自分の身内がしたことが他人の迷惑になっているかどうかは同じようなフィルターが掛かっているものです。
で、その犬の飼い主たちはこのニュースをどのような気持ちで見るのでしょうか。「アライグマってかわいいから世界遺産の中にとけ込んだらすてき」って思うのでしょうか。それとも「これで犬も堂々と権利を主張できる」と思うのでしょうか。いや、まともな神経の人ならそんな風には思わないでしょうね。でも、このアライグマへの攻防というのと、自分たちが主張している「国定公園での犬の放し飼い」は全く同じ事なんだと気づく人はいるでしょうか。気付かないで居るなら、是非気付いてください。同じ事です。世界遺産の土地も国定公園の土地もどちらもその自然をそのままに残そうとしているところで、人間の都合を優先すべき場所ではないのです。どうか、野生動物とペットの違い、そして自然への接し方について多くの人が分かってほしいものだなと思います。


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