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2005年10月24日(月) 謝る事

あるの朝、通勤ラッシュで込み合う新橋駅での事。

ちょっと早めについた私は時間が来るまでどこかのお店でモーニングでも食べながらのんびりしようと考えておりました。そんなのんびりした気持ちで歩いていたのですが、周りは結構殺気立っているというか、まぁちょっと地方の人にはわからないかもしれませんが、異種独特の「通勤のプロ」と言う雰囲気があって、この流れに乗れない人は「素人め!」と白い目で見られる雰囲気があるのですよ。
そして、新橋駅はJR線と地下鉄銀座線、それとゆりかもめなどが出入りする駅であらゆる方向に混雑をしているんです。兎に角、私はそんな中でのんびり歩いていたのですが、地上に出ようとのぼりの階段に近づいた時、階段の上からは多分JRから地下鉄に乗り換えようとする一段が降りてきました。私は階段などにある案内が指し示す通り「のぼり」と指定されている区画を歩いて階段に近づいて行ったのですが、どこにでも少なからずいる「自分さえ良ければ」と言う人が「のぼり」と指定されている通路を駆け下りてきます。その中の1人、多分年のころ20代後半の女性が遅刻でもしそうなのかそのパンプスが立てるやかましい足音も手伝って、悲壮な感じをかもし出しながら「のぼり」通路を駆け降りてきました。たまたまわたしが歩いていたところはすぐ横に柱があり通路が狭くなっています。そして殆ど前を見ていないのかその女性は凄い勢いで私にぶつかってきましたのです。
さて、ここで問題です。私は登り通路を登る方向に歩いていました。彼女は登り通路を駆け下りてきました。どちらが間違っているのでしょう。そして、どちらがどのような態度をとるのが「まともな大人のすること」なのでしょう。私は相手が謝ってくる事を期待して黙って見つめていました。勢い良くぶつかってきたとは言え、多分に私の体重の半分ほどのモーメントがぶつかって来たに過ぎません。相手が「すみません」とか言えばにこやかに「いいえこちらこそ」と笑っていえるでしょう。別にそれが女性だからではなくてですよ。それが(登り通路を降りてくるという)明らかにマナー違反だとしても、それを承知でやりたくなる事情もあるでしょうしね。また、そういう状況ですから私から謝る事ではないのは明らかだからこそ、私は相手の出方を見守っていたのです。でも、私はそこで、態度の多少の差はあれ「すみません」以外の行為は全く予想をしていなかったのですが、この女性は見事に裏切ってくれました。私にぶつかって跳ね返されたのですが、そこで顔を醜くゆがめて、こちらには聞こえなかったのですが「邪魔だよこの野郎!」と言う感じの台詞を口に出しながら、肩から私を押しのけるためにぶつかってきたのです。幸運だったのは、私はその態度にびっくりしながらも反応できた事。つまり、ぶつかって押しのけようときた相手を私にぶつからないように受け止め放り投げるように押し戻す事が出来たのです。その女性は何かブツブツこちらに向かって文句を言っていましたが、幸いな事にこれも私には相手が何を言っているか良く理解できませんでした。もし理解していたら思い切り踏みつけていたかもしれませんから、相手にとっても幸運だった事でしょう。非力な女性はいたわるべきだと思いますし、暴力は絶対にいけない事というのも尊重されるべき意見です。しかし、このような状況で体当たりをかましてくるレスラーに対して自分の身を守る事は(結果的に私の方が強かったと後から判ったとしても)仕方のない事だと私は判断しました。その女性は私の事を「自分の行きたい方向を邪魔するトロくて、グズで邪魔なヤツ」と思ったのかもしれませんが、でもそれは違うでしょう。いや、その女性にはそう見えたかもしれませんが、それは自分の都合だけで考えた場合の事ですね。自分のやりたい事があるのはわかります。が、相手にも同じようにやりたい事があるのです。自分も相手も同じと思えば、自分の意見だけが通るはずがないという事は判るはずなのに、どうしてこんな簡単な事がわからない人が多いのでしょう。
欧米では自分が悪いと謝ると、それがそのまま責任を取ることになるので絶対に謝らないのが普通なのだそうで、それに比べ日本はまず謝ることから始まります。YesNoのはっきりしないなぁなぁの文化ではありますが、そういう文化だからこそ、まず謝っておこうという風潮も生まれ得たのですよね。私はその点は欧米より優れた日本の文化の美徳だと思うのです。何でもかんでも謝るべきだとは思いません。でも、相手も悪いけど自分にも少しは悪いことがあったと思うなら、お互いに謝るという気持ちで接したらもっと丸い世の中になるのになぁと思うのです。世の中そんなに甘くないですかねぇ…


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