The Green Hills of Earth
みなさんそれぞれの拘りがあるんでしょうけれど、私には私なりの拘りがありまして、例えば以前は、紅茶やコーヒーに砂糖を入れるのはダメ。紅茶にレモンなんてもってのほかで、うちに来てコーヒーや紅茶に「砂糖が欲しい」と言った人には、「コーヒー牛乳飲んでいなさいな」とたしなめたものでした。レモンティーがいいなんて言った日には、もうすぐにお帰り願ったものです。ええ昔の話ですよ。砂糖一粒がどれだけ本来の味を壊すかを知った日には、砂糖やレモンを入れるなんてとんでもないと思った訳ですよ。以前ここにも書いたと思いますけれど、そう思っていた自分は、いつか「紅茶なんか水の質が悪い国で水分を採るための手段であって、こんなのに躍起になるなんてバカみたい」と180度態度を変えちゃった次第。一人分の茶を入れるのに、それまではしっかり葉っぱの量もお湯の質も管理して、抽出する時間も秒単位で計って味わっていたものですが、いまはティーバッグが多いですし、ポットを使うときなんかもポット一杯に作って、抽出し過ぎたらミルクを入れて楽しめばいいや程度に考えています。コーヒーだって一緒ですよ。水代わりにのむものに拘りを持つ方が変だよ。それがいまの拘り。いや、こだわっている人に異論を唱えるつもりはありませんよ。私はそこに到達しただけで、他の人がもっと高みを目指そうが何をしようが、それはその人の問題で私が意見することじゃないですからね。
で、AV機器って言うのにも拘りはありまして、ずっとβ党でした。家には今でもEDV9000が鎮座しています。中には「VHSの方が画質がいいのは証明されている」なんて息巻く人もいますけれど、それは単に販売戦略で劣勢にたったβが新しい技術開発をしていなかっただけで、実際に同じレベルの時点で比較した場合、βがVHSに技術的に負けるものなんて一つ足りと手なかったんですよね。もうビデオの時代ではないでしょうけれど、まだ多くの家庭にあるであろうVHSビデオデッキは、殆どの機種がリアルタイムカウンタがついているはずです。テープの信号を読み取って、そこから時間を正確に表示する。でも、この機能は本来のVHSでは出来ない事なんですよ。VHSは先発のβのUローディングと言う常にヘッドにテープを巻きつけた形ではなく、録画・再生時以外テープをヘッドから離すのが特徴で、だからベータよりテープが傷まないって宣伝していたんですよ。つまり、停止したらテープがヘッドから離れ、巻き戻しや早送り時にはテープのコントロールトラックを読み取れないのが本来なのです。ところがベータがリアルタイムカウンタを出してきたので、それに対抗してVHS陣営は恥も外聞も忘れてテープをベータのようにテープに常時接触している機構を開発したのです。つまり、名前はVHSなんですけれど、テープの駆動方式はβと殆ど一緒になってしまっているんですよね。更に音と映像のトラッキングが独立して調整できない欠陥も致命的ですし、VHSが技術でベータに勝ったなんて思っている人がいたらちゃんちゃらおかしい。へそで湯が沸いちゃうよ。って位に思っているわけですよ。 その時代まではビデオデッキはフラグシップを買っていました。それが拘りだったんです。ですが、ベータは営業戦略的に没落し、私も仕方なくVHSを買う日が来たのですが、買ったのはVictorからOEM供給されていたPHILIPSのもので、売価は\17,800位だったと思います。VHSなんてそんな物で良いんです。これも拘りですね。しかし、これは今でもうちで現役で活躍しているんですよ。結構当たりだったかもしれません。
そして時代はDVDレコーダー、HDレコーダーに移り変わってきたんですけれど、私の家にはDVDを読み取る装置は何台かありますが、DVDを録画できる装置は一切ありません。昨年の11月にパソコンにテレビチューナーを内蔵してDVDレコーダー化する計画があったのですが、音がうまく出ないと言う問題でつまずいたまま頓挫しております。 うちでDVDを見る時はプレイステーション2を使っているんです。ところがこれは結構前のものでかなり不安定なんですよ。映画なんかを見ていても結構頻繁に変に固まったりノイズが入ったりしてしまいますしね。でも、私は熱烈な映画ファンって訳でもありませんし、DVDを見る機会はそんなに多くないのであまり困らないのです。それは私の多くのコレクションは未だLDだというのも影響しているでしょうね。LD再生装置がPIONEERのLD-S1という古いけど当時のPIONEERのフラグシップなので音も映像も満足していますし、DVDのちんけな画像よりいいと思うとなかなか手放せないんですよ。兎に角あまり使わないDVD再生装置に金をかけるのはもったいないと言う感じなんです。 しかし、先日友人から渡されたDVDをプレイステーション2で再生してみたところ、半分を過ぎた辺りからノイズが目立ち始め最後の方は「このディスクは再生できません」とメッセージが表示されて止まってしまったんです。これはいい機会だから、これでDVD・HDDレコーダーでも買うか?と一瞬思ったのですが、時間つぶし程度でテレビを見ることはあっても、録画をすることが殆どない私がそんなものを買って何の役に立つでしょう。大体全然情報収集していませんし、お金もない。いや、お金がないのも大きな原因ですけれど、それよりDVD-RAM、DVD-RW、DVD+RW、DVD-R、DVD+Rだとかフォーマットが乱立しすぎです。今時は殆どのフォーマットに対応できるって言うのが流行みたいですけれど、これが落ち着くまで買う気にならない。で、買う気になると更に次のフォーマットができているみたいなことになるんじゃないでしょうかね。一生新しいものは買えないような気になっています。
録画タイプが混乱しているので、じゃあ再生専用のプレイヤを買うかと言うと、確か良く行く店では\7,000くらいの値段で売られているものあったように思いますが、その値段でももったいなくないか?と思うと躊躇してしまうんですよ。そこで友人に電話をかけて相談してみたら、友人が持っている再生専用機を買わないか?と言う話が出ました。お金持ちな友人は別の高機能なものに変えたいのだそうで、それはそれは渡りに船と値段交渉をさせていただきました。オークションでも\6,000位では売れるというのですけれど、そこは友人を大事にし給えよって事で、片道1時間半の道をこちらからとりに行くと言う条件で\4,500で手を打ちました。\4,500ならお買い得っていうか、明日壊れたら困りますけれど、暫く動いてくれるならあっても良いかなというお値段に思えました。持つべきは金持ちのお友達です。ありがとう....それにしても格好よく言えば「落ち着くまで買わないのが拘り」でしょうけれど、新しいものに頭がついていかなくなったと言うのは、も…もしかして老化の現われって事なんでしょうか。認めたくないものです。
リンク、引用はご自由に。画像は勝手に持ち出さないことを祈ります。
COPYRIGHT(C) Lunatic 2002-2010
|