The Green Hills of Earth
2004年05月22日(土) |
北朝鮮から家族が戻るのは間違いなのか? |
多分、今日は「小泉首相、北朝鮮へ行く」の話題で持ちきりなんでしょうね。
なんか、一昨年帰ってきた拉致被害者の家族で、北朝鮮に残って居た8人の内、曽我さんのご家族を除く5人が今日帰ってくるのだそうですね。そして、「死亡した」「入国の事実はない」とされていた10人については、改めて調査をするということで合意したとか。 多分、この話で「一定の成果をあげた」という派閥と「これじゃ駄目だ」という派閥があれこれ言うのでしょう。
「これは人道支援だ」といくら言っても、実際には、日本から拉致した人とその家族を返す見返りに、25万トンの米と1,000万ドルの医療品支援を北朝鮮は得た訳で、これは、泥棒に自分の帽子を売りつけられるようなものですね。納得いかないといえば納得はいきません。そして、これは使える手口だと思うから、10人は「これから」調査で、必要に応じて見つかって、見返りと交換に帰国という事になるのではないかと心配してしまいます。
午前中の数時間しか会談せず、どれだけの成果が挙げられたんだ!と否定的な意見を言う人が居ると思いますが、私は「成果はあった」と讃えたいと思います。 「拉致をした」「核兵器を所有した」など感心しないことばかりの北朝鮮ではありますし、本当なら「拉致被害者を帰すまで人道支援もするべきじゃない。勝手に飢えて助けてくれというまで放っておくべきだ」という意見に賛成したい気分なのですけれど、飴と鞭というものなのか、とにかく、譲るべきは譲って、対話が出来る環境を作るということは大切だと改めて思いました。ただ、先にも書いたような、人質と見返りの交換というのは如何なものかとは思いますけれどね。今回の会談で首相が言い足りなかったこと、実現しなかったこともあれこれあるかもしれません。しかし、行ったことで家族が戻ってきたというのは立派な成果だと思います。
テレビでは「曽我さんの家族が帰国しないことに、家族会から不満の声が出た」という報道がされていました。なぜ不満なのだろうと注目していると、拉致被害者のインタビューがあり、「曽我さんの家族が帰ってこないので素直に喜べない」という事が不満として伝えられているのだろうと推測が出来ました。 曽我さんの旦那さんが米軍の脱走兵で、帰ってきたら軍法会議という事から、曽我さんの家族は帰国しなかったのだと思いますが、それを受けて拉致被害者の方々が「曽我さんの家族が一緒じゃないので、複雑な気持ちだ」言われるのは、ある意味ではもっともなことだとは思います。が、蓮池薫さんの言われた「(曽我さんの家族が帰ってこないから)うれしい気持ちはないです」という言葉に対して、私は正直、腹が立ちます。一緒にがんばってきたから、みんなで一緒にゴールをしたい。みんなが一緒に家族と会いたい。そういう気持ちはとてもよく分かりますが、しかし、曽我さんの場合は、不幸にも環境が違うのでしょう。それを無視して、一緒じゃないからうれしくない。政府はもっと努力をするべきだというのは、ちょっとおかしいんじゃないですかね。それなら、政府はその意向を汲み取って、曽我さんの家族の問題が片付くまで、子供達も北朝鮮に残しておけば満足するのでしょうか。 「家族が帰ってくるのはとてもうれしい。しかし、曽我さんのことを考えると素直に喜べない」というのと、「曽我さんのことを考えると喜びは全くない。早く解決するべきだ」という言葉が等価だとは思えません。甘えるのもいい加減にしろといいたいですね。人の努力を理解せず、要求ばかりするのはいくらなんでも許されざる事じゃないでしょうかね。
野党からは、様々な否定的な意見が多いですね。首相が行ったのにあまりにも結果がお粗末だとか。でも、そんなことはないでしょう。一気に全部を解決するには問題が大きすぎる。今全部を解決できなくても、その為の道を作ったのですから、効果は充分にあったでしょう。野党はどんなことに対してでも「与党に反対するのが仕事」と勘違いしているように思います。あまりにも軽い無責任な言動は、タダでさえ低い支持率を下げることになり兼ねませんから、慎重に発言されるのが宜しいかと思います。
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