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■ その人の人生の最期を見届けるお仕事
「葬祭師」ほど、もっと敬うべき職業なのではないだろうか・・・。
人間必ずいつかは訪れる「最期」 その“時”を、故人はもとより遺族の気持ちを考え、この世にある肉体が灰になるまでを厳かに、時には華やかにお見送りする。
外国では専門の大学があるほどに認知され、「医者」や「弁護士」と並ぶ職業。
日本ではまだまだ「葬儀屋さん」と言われる様に、嫌厭されがち。
「医者」は治してくれるから偉いのかなぁ。 でも、亡くなったらそれまでの付き合い。
本当の最期は、やっぱり葬儀だと思う。
最愛の人を亡くした実感もないまま、ただ冷たくなった人に話しかける。 棺の中には、大好きだったタバコを入れてあげたい。 「お酒が大好きだったよね」と言いながら、供えてあげる。 もう病気で苦しまなくて良いんだね、と少し安心する。 お通夜の読経・・・焼香・・・合掌。 何だか実感のないまま、式は進む。 けど、確実に「明日は灰の身」 この世にある最期の日は、思い出話に泣き笑い。
先日、会社の中で誰よりも愛されていた方がお亡くなりになりました。 ずっと冠婚葬祭業の発展と葬祭師の育成に携り、亡くなる数週間前まで葬祭スタッフの指導をされていた方。
自分も部署異動になる前までの半年間と、移動してからもたまにお会いしては沢山の事を教えてもらいました。 本当にお世話になっていて、仕事(葬儀)だけではなく、結婚式やお酒の話、家庭の話、人間の在り方や・・・彼氏の話もしました。
彼氏の話は特に自分の孫の事の様に目を細めて、喜んで聞いてくれた。 「結婚するときはね・・・」なんて昔からの習慣や伝統、北海道だけのしきたりや、会費制のこと・・・そんな話をしてくれた。
彼氏が「一緒にお酒飲んでみたいね」って言ってたと伝えると本当に喜んでくれた。 ・・・実現はしなかったけど。
たまに会うと「彼は元気かい?就職はどこに決まったの?」って声を掛けてくれて 「良いところに就職したね。○○(彼の会社)はその分野では老舗で北海道を動かす力がある会社だよ。良かったねぇ」って喜んでくれた。
本当に、本当に大好きで もっと、もっとお話聞きたくて
結婚するときは真っ先に連絡しにいこうと思っていて。 絶対、喜んでくれるから。 二人で会いに行こうって、話してて。 いっぱい、ためになる話聞かせてくれるから。 親よりも、親のように話してくれるから。
今日、お通夜で。 大きな葬儀だったから社員は別の会場でテレビ中継みたいな感じで参加。
それでも、御導師の話がその本人から聞いた話だったり、趣味とか特技とか、言われると皆思い出して、涙堪える気もないけど、ずっと垂流し状態。
こんなに、誰かが亡くなって「後悔」したことない。
もっと話したかった。 彼氏、ちゃんと紹介しておきたかった。 結婚式には来て欲しかった。 もっと歌を聴きたかった。 葬祭師の試験受けてみたかった。 「シビルウエディング」のこともっと教えて欲しかった。
こんなに思い出たくさんのお別れは辛いけど、 やっぱり葬儀はそんなもう二度と会うことのできない人への最期のお別れなんだなぁ・・・と、故人の残した「神聖な職業」という意味を、彼の葬儀で実感するのも妙な話です・・・。
そして、この職業はどんなに大好きな人が亡くなったとしても、途中で投げ出すことはできず、最後まで歯をくいしばって見送らなくてはならない、ものすごい壮絶な職だと・・・。 みんな、目に涙をためて仕事していたのがすごく印象的でした。
なんだか長くなりましたが・・・
ご冥福をお祈り申し上げます・・・。
2005年05月27日(金)
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