英語通訳の極道
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2003年04月25日(金) エメロンシャンプーがない

「エメロン」というシャンプーはまだ売っているのだろうか?25年以上も昔「振り向かないで」のCMで一世を風靡した。



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が妙に記憶に残っている。親友の恥ずかしい弱点をさらりと暴露してしまう。まるでニワトリが、傷ついた仲間を嘴でつつき殺すような恐さを感じた。

さて、エメロンシャンプー。私も使っていた。アメリカに行ったばかりのころ、このエメロンシャンプーがなくて困った。いや、そんなに大した問題ではないのだが、使い慣れて相性がよかった。

アメリカで現地のいろんなシャンプーを試してみたが、髪がガサついたりしてどうも気に入らない。アメリカには良いシャンプーがないと不満たらたらだった。

ところが、15年もいるとそれなりに自分に合う商品に出会うもので、日本に帰国してからは、今度はそのアメリカのシャンプーをわざわざ探して使っているありさまだ。

ことはシャンプーだけに限らない。日本に帰って来たばかりの頃は、本物のパンがない、ベーグルがない、道が狭い、物価が高い、日本人は愛想が悪い、何を考えているか分からない‥‥と、日本(人)に対する不満が募る。そして、アメリカの商品、アメリカの文化が手に入るところへわざわざ出かけて行っては、ホッとくつろぐ。そういう状態が何年か続く。

こういう経験を経て気がつくのだが、人は慣れ親しんだ環境から離れて生活すると、どうも今までと違うところ、足りないところにことさら注意が向くようだ。

外国に行くとやたら愛国者になって日本が恋しくなる一方、長年外国(特に欧米)に暮らして帰国すると、英国最高、アメリカ万歳みたいになる。そして、「ふにゃふにゃの日本人」なんて批判本を書いたりする。

時間が経ち、どちらの文化に対してもある程度距離を保って冷静に観察できるようになると、一方的な愛着や批判ではなく、それぞれの違いや共通点がもっと客観的に眺められ、より高い次元から、何を取って何を捨てるか判断できるようになるのだが、その段階に達するにはやはり数年単位の時間がかかるようだ。

だから、私は、外国に渡る人にもできれば最低数年滞在することを勧める。同じように、日本に戻ってからも数年は「リハビリ」として、批判ばかりではなく、日本を理解するための時間を取って欲しいと願う。そうしないと、どっちのシャンプーがいいかなんて瑣末な文化比較論に陥ってしまう。


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