英語通訳の極道 Contents|<< Prev|Next >>
英語は絶対勉強するな! たとえば、知らない単語をひたすら英英辞典(Cobuildを推奨)で引くというステップ。 説明文を書き写し、例文も書き写し、何度も声に出して読んで覚える。説明に知らない単語が出てくれば、それも引き、芋づる式に延々とこれを繰り返す。同じ項目でも、覚えるまで何度も繰り返す。「一冊分の辞書の解説文を書き出すつもりで」辞書を引けば‥‥もう語彙も文法も完璧! って、そりゃそうだろう。いったいこのプロセスに、どれだけのエネルギーが必要かご存知か? 冷静に考えてみればいい。この大部の辞書には7万5千項目収録されている。それに例文もたくさん。仮に一項目あたり平均3つの例文があるとして、ぜんぶで30万近い説明文、例文がある訳だ。 そのひとつを引いて、書いて、声に出して読んで、もう一回読んで、さらにもう一回読んで、体に覚えこませるという一連の学習ステップに、一体どれだけの時間がかかるのか? ちなみに、3分と仮定してみよう。すると、一時間で20コ。3時間で60コ。毎日3時間勉強するとして、一週間で420コ。休みなく勉強するとして、一ヶ月で、1800コ。一年で、2万コと少し。そして、15年でようやく30万コ完成! はぁ〜。15年です、はい。毎日。3時間。 さらに、同じ単語を複数回復習する場合を考慮すると、この何倍かの時間がかかる可能性もある。 こんだけやれば、そりゃボキャブラリーも身につかないほうがおかしい。我々が高校生の頃は、研究社の英和中辞典の例文をぜんぶ覚えるというのが、伝説の勉強法として喧伝されていたが、結局それと同じことだ。 さすがに、「英絶」の著者も、Cobuildを隅から隅まで征服することは想定していないのかもしれないが、それでも、ひとつハッキリと結論できることがある。 ようするに、何をやるにしても、結局は、即効で身に付くものはないということ。たんまり、じっくりと時間をかけることなく、成功はない。英語も例外ではない。 それにしても、この本が世界で100万部以上も売れたことで、しまったと地団太を踏んでいる英語関係者は、少なくあるまい。この本がこんなに売れるなら、おれも私も一冊書いて、家の一軒でも建てておくんだったと。 しかし、2番煎じは所詮物真似。最初にやった彼は、エライ。やっぱ私は、いつまでも貧乏から脱出できないようで‥‥。
Taro Who?
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