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2006年12月25日(月)   涙と変化と  

クリスマスは普通に平日で、
普通にお互いシゴトのため、逢える訳もなし。


喧嘩した後だったからか。
よくわからないけれど、
日付が変わるまで一緒に居た。


海を見ようと横浜へ。
ゴリとは、何度目かの桜木町。




まさか横浜でクリスマスを過ごすとは思わんかったわ



色とりどりのイルミネーションを見てゴリが云う。






どんどんシイナを好きになっているとゴリは云う。
何度か、あたしの前で泣いたゴリさんは、
人前で泣くのは初めてだといって、顔を赤らめた。




男の子を泣かすのは初めてのことではないので、
アタシは特にどんな反応もしなかったけれど、
それでも、私の言いたいことがゴリさんに伝わってるのが解って嬉しかった。




思えば、
悔し泣きとか、行くなとか、すがりつかれて泣いたりだとか。
あまりプラスな涙は見たことが無く。



私の言った言葉が嬉しいとか、
感動したとか、そこらへんはゴリの感じ方なので
アタシの知る由もないけれど
少なくとも、マイナスの涙では無かったような気がする。


喧嘩をするたびに、近くなるし。


喧嘩をするたびに、ゴリの本心が垣間見える。



彼女に声を荒げたことが無いと云ったアナタは、
少しだけ怒りが篭った声で私に食って掛かった。



ああ、なんだ、普通に怒りの感情も出せるんじゃないか。



温和で、彼女と波風を立てることを
極端に嫌うゴリさんしか知らなかった為、
それが少し嬉しかった。(アタシはかーちゃんか。









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ゴリの中で、唯一、この約束が
彼の本音を吐かす為のキーワードだったらしい。


相手が離れるのが怖くて云えない関係は、
はっきりいってとても疲れる。






体が冷えるまで、歩き回って、
夜遅くまで開いてた雑貨屋で、おそろいのマグコップを買った。
買おうと言い出したのはゴリで
選んだのは二人。




必要最低限のもの以外を二人で選ぶって初めてやな




そう云って、嬉しそうにゴリが笑った。





ゴリさんに、徐々に変化が起きつつある。
本人が気がついているか解らないけれど、
なんだか初めて、私は彼氏という存在と向き合っている実感が沸いてる。





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