ダメ日記 40s
四十にして惑う
                                           
2002年07月22日(月) ウワグツ

小学校のころ、おれはいわゆる金管バンドに所属しており
ラッパを吹いていた。

練習は夕方まであるので、帰る時には下駄箱のある校舎は施錠されてしまう。
そのため、練習場所である音楽室のある校舎の一階の誰も使っていない下駄箱に、
もう一足別に上靴を置いていた。

つまり、学校が終わったら一度クラス用の下駄箱から外へでて、
部活用の下駄箱からまた校舎に入る、といった感じである。

おれはその部活用の上靴として、昔はいていた古い上靴を使用していた。
しかし小学生なので体の成長は著しく、その上靴は小さすぎて入らなく
なってきた。

しょうがないので、おれは上靴の横にハサミで切り込みを入れた。
すると、見事に使用できるようになった。
普通の上靴は週末に持って帰って洗っていたのだが、部活用の上靴は
あまりにもみすぼらしく、親に見せたら怒られそうなのでずっと学校に
置きっぱなしにしておいた。

どんどん汚れていくおれの上靴、しかし次第におれは愛着がわきはじめた。
その後も履き心地を追求して、改良に改良を重ねたおれの上靴。
最終的には、ほぼ底だけとなった。残るは先っぽの青い部分のみである。

まるでスリッパのようになったおれの上靴は、ゴミと思われて一度は
先生に捨てられてしまったりもした。が、なんとか発見してまた使用していた。

「すごい上靴はいてるねー」

と何度も友達に言われたのだが、むしろおれはとても誇らしかった。




あの時代のような勢いが今のおれには必要だと思う。ウソです。



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