メッセの子に、「自分の意思でやりました。まさか自分が生きていたなんて思いませんでした」と言われた。 その子は、包丁で自分の腹を刺したのだ。それも、自分の意思で。 何だか信じられない。その子は凄く痛がりだ。 マンションから転落した事についても、どこかで見つけたグロ画像を見ながら「俺もあんな風になってたんでしょうか・・」と怯えていたり。 そうやって、自分が受けた痛みに対して怯えていたのも、その子が自分を刺す前日の事だ。 しかも、弟君の話によると、その子は上半身裸の状態で自分の腹を刺したのだという。そんな事、並大抵の覚悟で出来るような事じゃない。 凄く怖がりだし、あんなに幼いメッセの子が。 それも、意識がある状態で。 何だか恐ろしくなる。 それから、「もう二度と自殺はしません」と言ってくれた。 携帯の履歴を消したり、パソコンをフォーマットしたり、その子は誰にも告げず黙ったままで、独りでひっそり命を絶とうとしたんだな。 あんなに可愛らしい子が、自分でその人生を終わらせようとする。 そうやって、メッセの子が独りで身辺整理をしている様子を思い浮かべると、何だか悲しいような寂しいような気持ちにもなった。 メッセの子によると、その子が自殺を計った日、その子の家に中2の男の子が遊びに来たらしい。 「その後いっしょに出かけた先で○○君(中2の子の名前)の体に猥褻な事をしてしまいました」と。 そして、「自分は生きてちゃいけないと思いました」と。 最後に、「中途半端は嫌だったので絶対に死ねるくらい切り付けたつもりでした」と言ってきた。 それっきり、俺がいくらメールを送っても返事が返ってこなくなった。
今日は午後16時半頃に目が覚めた。 首を凄く寝違えていて、首をずっと右に傾けていなくてはならないほど強く痛む。
メッセの子からメールが来たので、また数時間話を聞いた。 「自分が生きてる事が図々しく思います。包丁を腹に刺しただけじゃ死ねないと思ったのでそのまま腹をぶった切ったんです。それでもしぶとく生きてて。自分の生命力が憎くなるし俺が死んだら○○君(中2の子の名前)に自分も死ぬって言われて死ねない状況に持ってかれたし。こんな卑劣な俺にそんな思ってくれてそれなのにあんな事○○君にして俺はどこまで最悪なんだろうとか思います」 「全然ためらわなかったです。刺した時『卑怯者!』って心で叫んで刺さってる包丁をそのまま15センチくらい走らせました」 あんなに小さくて幼い子が、自分でそんなに怖い事を・・・ タイプの子がそういう目に遭わされた、とはまた別の意味で、ショックで信じたくない気持ちになった。 「切り裂きです。今はもう同じ事はできません。自分の腹を見てると怖くなります。傷も大きくて痛くて体を動かせられません」 言葉通りの切腹だ・・・ まともに動く事も出来ないし、目もよく見えなくなってしまったらしい。 でも、これは回復してくるそうだ。 俺はメッセの子には、「○○(メッセの子の名前)自身そういう子なんだし、そういう目に遭わされたんだから、その子とそういう関係になったとしても汚してる事にはならないんだよ」みたいな事を言ってるのだが、その子は納得してくれない。 「弟は木曜の夜に交通事故にあってしまいました。命に別状はありません。俺が意識を戻したって聞いて弟が病院に向かう途中です。病院の目の前の信号で車にぶつかっちゃったんです。弟は赤信号を走って渡ろうとして車にぶつかっちゃいました。これも元はと言えば俺のせいです・・・弟は来週には退院できます」 「弟が車椅子で来た時に今まで見た事ないくらいに泣いて喜んでくれました。車が通る赤信号を渡るくらいだからよっぽど興奮してたか慌ててたかだと思います。これも俺のせいです」 弟君が「今から病院に行って来ます!」と言って連絡が途絶えたのは木曜日の22時。 まさか事故に遭ってたなんて。 メッセの子が持つ悩みはA,B,C。 俺が弟君に話したのはAとC。 でも、今回の自殺未遂の理由はBによるものだった。 このBを弟君に話すよう、メッセの子にうながした。 「明日弟に話します」と言ってくれた。 ただ猥褻をしたと言うと軽くなるけど、実はその中2の子に凄くいやらしい事をやった、とメッセの子は言って来る。 何をやったかを具体的に言ってしまうと、弟から「死ね」と言われてしまうかもしれない程の事だと言う。 でも、もしも言うなら、具体的に何をやったのかまで弟に話さないと納得できません、とも。 メッセの子が何をしたのかは聞いてないけど、「全部言った方がいい」と返事を返した。相当の事をしたんだろうな。
会話の途中で、俺からメッセの子に対するメールが届かなくなってしまった。 向こうからのメールは届き「どうしたんですか?」と来るのだが。 メッセの子との会話が通じなくなってしまった。
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