囁き
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昨日の夜、昔の知り合いから電話があった。僕の電話番号、どっから入手したんだかわからないんだけどね・・・会いたいってさ。なんか、彼氏にふられて、寂しくて色々思い出してたら、僕のこと思い出して、声が聞きたかったって・・・
そのとき、僕は外にいたんだ。彼女と少し電話して、寝ようとしても寝付けなくてね。雨に当たりたくなって、外を歩いてた。少し離れた、お気に入りの場所へと。久しぶりに強い雨を受けてて、心が少し晴れてたんだけどね。そいつからの電話で叩き落された。それこそ、どん底までね。とりあえず、雨が避けれるところまで行かなきゃいけなくなった。 そいつは、僕が堕ちてるときには、雨を受けたがることを知っている。だから、わかったんだろうね。急に優しい声だしやがって・・・あたしも会いたいから、会わないかときたもんだ。これが普通の連れなら、別にいいさ。たぶん、普通に理由つけて断ってるだろうさ。けど、こいつには・・・この人の言葉には、逆らいにくい。 昔、僕を甘く優しい言葉で傍に置き、心にも身体にもいろいろなことを教え込み・・・いや、叩き込み、信頼したときに、奈落に叩き落した。確かにあんたは、色々なことを教えてくれたよ。そのことには、感謝してる。世の中には、あんたみたいな女もいるっていうことを。社会や世界の見方。考え方。人の騙し方。あんたから、そして、あんたと接する上で、色々教わった。
けどな、あんな裏切り方・・・笑いながら人を奈落に突き落とすような女と、二度と会いたいとは思わない。どうせ会ったら、昔みたいにヤルんだろ?それだけでも、いやなんだよ。所詮それ自体は行為だってわかっててもね。 ふざけるな。貴女が僕にしたことを忘れるな。それだけ言って、電話切ったよ。たぶん、二度と電話かけてこないでしょう。僕にそこまで拒絶されると思ってなかったんじゃないかな。・・・女に強く当たれない、僕の性格も知り尽くしてるわけだから。
また、雨の中を歩き始めた。ひどく疲れた。いつもの場所は、いつものように、遠くの街の光を見せてくれる。騒ぐ心を落ち着かせ、空を見つめた。雨が目に入ってくる。泣くことが出来ない僕の代わりに、雨が目から、頬へと伝う。僕の変わりに泣いてくれる、そんな考えに、少し笑うと、気分が晴れた。
夕方、台風が吹き荒れる中も、外にいた。やはり僕は、街の雨が好きだ。今日歩いたのは、住宅街だけどね。本当は、横浜や渋谷で降られるのが一番好きなんだ。少しは、この街と一緒になれる。そんな気がしてね。
街が泣いてくれている・・・そんな気障なこと、本当に考えてるわけじゃないけどね。ただ、少しでも気が晴れる。もしくは、堕ちても、何かが見つかる。そんなことが多かったから。それに、一人でいられるしね。
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