囁き
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2001年04月26日(木) |
妹が起こした問題と、それで考えたこと |
今日早朝、いつものように遅く眠りについた僕の足元に、なにかの圧迫感を感じて目を覚ました。愛すべきお馬鹿犬、茶々かと思い、体を起こすと、そこにあったのは人型。驚いて言葉も出ないまま、どこか冷静にその姿を見ると・・・ 妹だった。 狭いベットの、足元の方にうずくまり、なにかを呟いている妹の肩を叩いた。妹は、僕の方を見つめながらも、なにかを呟き続けていた。妹も精神的に色々なものを背負っている。声をかけた僕に、妹の答えは・・・ 「どこか遠くの(ぶつぶつ)・・・」 「僕が誰だか分かる?」 「後藤君・・・」 寝ぼけているのかと思い(どこか、そう信じたいと思い)、どこか遠い目をした妹の肩を抱きながら、しばらく妹の背をさすっていた。唐突にトイレに行くといい、僕の部屋から出た妹。階段の手摺りに寄りかかり、なにかを呟き続けていた。ただならぬものを感じた僕は、妹を強引に手摺りから振りほどき、振り向かせた。 「バジルあるかな?」 妹が聞く。唐突の質問に、僕はなにも答えられなかった。ただ、何故か夢を見ているように思えていた。 「スパゲティー作らなきゃ・・・お腹もすいたし・・・」 再び、妹の肩を抱く。どこかに行ってしまいそうだったから・・・そして、母が起きてきた。
妹は、数種の薬をまとめて服用していた。詳しくは分からないが、25〜30粒ほど。急な問題はないものの、それだけの数を一気に服用すれば、こういった症状は現れる。少し、安心した。直接見たことはないが、妹は何度かこんな事を起こしていたし、友人の中には、こんな症状を起こす奴が数人かいて、それは僕も見てきたからだ。このところ、精神の調子は芳しくなかったようだし、こうなったことを受けとめるのに、さほど時間はかからなかった。しかし、予備校の授業では、身が入らなかった。字の書き間違い等、今日の授業は散々だった。流石に、多少なりとも動揺していたのだろう。幸い(というか、分かってはいたのだが)、問題はなく、帰宅したときに妹はそんな状況から脱していた。早朝のことを考えていたのだろうか、言葉数はほとんどといっていいほどなかったが。 ふと思った。妹は逃げれるのだな、と。僕には、そんな逃げ方は残されてはいない。どうあがいても、進んでいくしか道は残っていない。たまのリスカ程度が関の山・・・それも、出来るだけしたくはない。逃げる云々の問題は置いておくとして、その道すら、僕にはほとんど残されていないという事を実感した。
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