2008年02月09日(土)
 

自分を残して世界が早送りをはじめる
テレビのなかのニュースを読み上げるアナウンサーの口調も
ご飯の用意をするお母さんも
黒板の内容を書き写す鉛筆の音も
わたしの手の動きも
いつもより少しだけ早い

世界がわたしの意識だけ置き去りにして
早送りをはじめる
時計の音も
雨の音も
そしてふつりと途切れて
いつの間にか元の早さへともどっている

早送りされる瞬間は少なくなり
元の早さに戻るまでの時間も少なくなって

いつからか
世界は早送りをされなくなった
いつもと同じはやさで
なにもかもが正確に進んでいく

あの早送りはなんだったんだろうとふと思う
小さいころのわたしの妄想が激しかった所為なのか
それともわたしは成長することが怖かったのか


いつからか誰にも早送りされることなく
いつだって正確に時間は進んでいく
わたしを連れて容赦なく





↑エンピツ投票ボタン

my追加
いつも読みに来てくれてありがとう。
※マイエンピツは告知しないに設定しています。