2004年06月18日(金) 呼ぶ声
 

突然降り出した大粒の雨に
窓に鼻を押し付けるようにして
見上げた

アスファルトのにおいが鼻をくすぐる
雨を降らした雲が去っていく
当たり前のように
流れるように
時間は過ぎていく

おいで
とわたしを呼ぶ声が
どこからか聞こえるけれど

ありがとう
でもごめんね

わたしはまだそこへはいけない
腐ってしまったかのように足が動かないから
もう繋いで歩いてくれる手のひらもどこにも無いから

当たり前に過ぎていく日常の中に
飲み込まれるようにして
ただぼうぜんと、それらを見ている

どこか遠く離れた君が
もうどうでもいいはずのわたしを呼んでくれているけれど

ありがとう
でも、

わたしはまだ、どこへもいけない





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