浮気予定日が決まった。
「密室コースでいい?」 「ダメだよー」 「適当に考えておくね!」 「うんよろしく」
なんていう会話を交わしていたものの、ケイ君は絶対ホテルに誘うだろうと思っていた。 今までの流れで、エッチなしっていうのは考えられなかった。
その日がきた。
電車で彼の元へ向かう。
改札口で彼が待っていた。 「ひさしぶり」 「うん」
「どこに行くの?ねえ?」 「うーんと、とりあえず映画でも見る?」
絶対ホテルに誘われると思っていた私は、かなり拍子抜け。
「うん」 でもそんな気持ちを悟られないように、平静を装ってうなずく。
映画の最中にキス?!なんて思ってたけど、実際はキスなんてなくて、太ももとか膝に手を置くだけ。 後から聞いたら、眠いのを必死に耐えるために、私の太ももを触って元気になってたとか。
映画が終わり、オシャレなカフェで食事をして、時計を見ると二時過ぎ。 五時には電車に乗ってここを離れなくてはならなかったから、タイムリミットはあと三時間。
「どうしよう。どうしたい?」 「任せるよ」 「密室コースにする?」 「任せるよ」
こういうときにかわいく「うん♪」って言えるキャラじゃないんです、私。
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