Bluerose - 2002年12月03日(火) 先日NHKで青いバラを作ろうとする人たちを紹介する番組をやっていた。 青みの強い品種の交配を繰り返して作ろうとする人、遺伝子組替えで作ろうとするプロジェクト、放射線を照射して突然変異によって作ろうとする研究所、さまざまな試みが紹介されていた。 もともと青い色素を持っていないバラに青い花を咲かせようというのは無理な話で、Bluerose は、不可能なこと、あり得ないことを意味する言葉にもなっているという。 できないと言われると、やってみたくなるのが人の常なのだろう。 幻の青いバラを作ることは「夢」であり「ロマン」なのだという。 どうも人間という種は、不可能を可能にすることが使命だと思っているふしがある。 今までになかったものを作ることが大好きなのだ。 その欲望にはキリがない。 放射線を浴びて奇形としか思えないグロテスクな花を咲かせるバラを見て、私は背筋が寒くなるような不気味さを感じたのだが、自分の作り出した珍種のバラを紹介する研究員の笑顔に翳りはなかった。 青いバラを作り出せると、その市場価値は何十億円にもなるらしい。 企業ベースで考えれば、放射線照射も遺伝子組替えも何の疑問も持たずに行えるのかもしれない。 農作物や家畜の品種改良と言うが、あくまで人間の側から見ての「改良」なのであって、その種にとっては本来の姿を無理やり変えさせられているに他ならないと思うのだが、稲や小麦や林檎は抗議をしたりしないし、牛や豚が抵抗運動をしたり、暴動を起こしたりしないのをいいことに、人間は一方的にやり放題である。 SF小説ではよくある発想だが、そのうち宇宙の彼方から人類を「品種改良」しようとする存在が現れて、いいようにされても文句は言えないんじゃないかと思ったりもする。 そんなこんなで、なんとも複雑な思いで番組を見終わったとき、娘がひとこと・・・ ねぇ、おかーさん、何だか「がんばれ、バラ!」て言いたくなるね〜 まったく同感だった。 何百年にわたる品種改良にも負けず、放射線にも屈せず、遺伝子を組みかえられてもまだ頑固に青くなろうとしないバラはエライ!! こうなったら、いついつまでも青ざめないでいてほしい。 がんばれ、バラ! びーち親子は人類の横暴に屈しないあなたを、心から応援してます。 ...
|
|