消えたバスルーム - 2001年02月23日(金) 記憶がぐじゃぐじゃになって久しい。 どっかがどうかして記憶装置が壊れたらしいのだが、忘れてしまったことは本当にソコだけ切り取られたような空白なのである。 昨日、娘と話しているときに、すっぽり行っちゃってるものを発見した。 お風呂場である。 私は引越しが多いので、娘と昔話をする時には「ドコに住んでいたときのことか」から始まったりする。 4年前、娘と暮していた頃の部屋の話をしていたら、風呂場がどこにどういう風にあったのかまったく思い出せない。 台所やベランダ、居間などはハッキリしているのに、風呂場周辺になると間取図が真っ白になるのである。 その部屋の前に住んでいたマンションも同じ。 建て替える前の実家の風呂も消えてしまった。 浴槽がステンレスだったというのだが、まったく思い出せない。 忘れるってことは、痛くも痒くもないし、どうってことはないんだけど、妙な喪失感があって、足元から少しずつ透けてきちゃう感じがして気持ちが悪い。 今、娘に「お母さんは10年お風呂に入ってなかったよ」と言われたら、否定するよすががないのである。 冤罪事件で、やっていない犯罪を、あたかも自分がやったことのように供述してしまう・・・以前はそのことが不思議でしょうがなかった。 でも、こうなってみると、記憶の隙間からほんの少し誘導されたら、すらすらと違う物語を受け入れて調書にサインしてしまうだろうと思う。くわばら、くわばら。 お風呂、入ってたと思うんだけどなぁ・・・。 ...
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