under one umbrella

2005年04月29日(金) 自爆。



どんなに涙が止まらなくても、
どんなに胸の奥が痛んでも。
願いは決して変わらないし、
信じることもやめたくない。


寺島の笑顔がどれだけ大事か、
信じられないことにどれだけ傷つくか、
それを忘れたくなくて、
あたしは笑う。





寺島の体温とか、腕の力とか、
唇の感触とか、火傷の痕とか。
究極的にはそんなものも要らないんだ。
あっても笑顔がない、
その辛さが1番心に堪えるから。
懐かしい、辛さだけれど。









昨日の電話で、寺島は、
「桃子ちゃんが好きって宣言する。
まりあをこれ以上悲しませないためにも」
って言った。
嬉しかった。



だってね。
あたしはよく、偉そうに寺島への気持ちを語るけど。
欲しいものを我慢せずに言ったら、
昔のように愛して欲しいんだ。
昔のように想って、
あたしだけを見てて欲しい。


とても自己中で、
身分不相応で、未練がましくて、
カッコ悪すぎて、バカバカしい願い。
寺島を信じる気持ちに、
それが関係ないとは言えなくて、
苦しかったりするんだ。自爆。


そしてそれがもうありえないことも、
ずっと前からわかってて、
この関係がいつか必ず終わることも、
寺島が新しい人を見つけていくことも、
あたしの頭の中にはちゃんと描かれてる。


それでも、寺島が他の人との話をすると、
あたしの眼には涙が溢れる。
どうしようもないせつなさに包まれる。
そんなあたしの悲しみを、陽ちゃんが汲み取ってくれる。
解放してくれようとする。
だから、嬉しかった。










けれど、今度は寺島のわがまま。

「じゃぁ、抱き合うのはもうなしね」

って言ったら、

「えっ…………イヤだー」

なんて子どもみたいに。



「ダメ。どっちか」

「まりあじゃなきゃイヤ」

「矛盾してない?」

「…………」



と、こんな会話が朝の4時まで続いていた。
なんだ、よく幸子に言われていたけど、
初めて実感した気がする。
うちらって馬鹿だ。






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