under one umbrella

2005年04月26日(火)



駅から家に帰る道に、
国道から入ってくるための道と交わるところがある。

高校時代、
携帯を持っていなかったとき、
幸子と話したいときは、
その道が交わる場所で、何時間も待っていたっけな。
幸子の帰り道だったから。


ときには幸子より先に寺島が通って、
その頃は友達だったけれど、
一緒に帰ろうー♪と言って寄って行ってた。



藤原と電車の時間が合えば、喋って帰っていたし、
藤原と2人で寺島を待って、つかまえたりもした。


高校が楽しくなかったあたしには、
その帰り道が楽しみでもあった。
今日、誰かに会えるかな。





当時からあたしは、
寺島と仲が悪くなると、
離れるとかメールを拒否するとかやってた。
「好き」って明確に感じてたわけじゃないけれど、
特別な存在では、あった。



幸子を待つあたしの横を、
寺島が、「バーカ」って言って通り過ぎていって、
いつもなら「何よー」って怒って呼び止めるところを、
ふん、っとあしらって。
理由は忘れてしまったけど、寺島から離れようとしてた。

そしたら逆に寺島が寄ってきて、
「どうした?反応がないとつまらない」
って。


きょとん、としてしまって、
すぐに可笑しくて笑ってしまったのを覚えている。
それだけで、離れようとしてたことなんて忘れてしまった。
そんなあたしは、変わってない。
ふとそう思うときがある。




メールを拒否したときは、
寺島が駅で待っててくれた。
まだ何にも始まってなくて、ただの友達だった。
あのときも、そんな寺島を見るのが、
くすぐったくて、嬉しくて。






帰り道が一緒じゃなかったら、多分、
付き合うことになんてなってなかった。
同じ学校に行ってても、なってなかった。
いろんな要因が重なってて、偶然もあって、
4年後の今、
形はどうあれ、あたしは寺島の傍にいて。
寺島の笑顔を近くで見れて。


ありがたいなぁ、なんて思う。
思える、幸せ。









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